昭和のまんまを変える①

日本を変える!

大丈夫なの?我社(日本)の競争力事情

現在、日本はGDP(国内総生産)世界第三位の経済大国です。

確かにその認識自体は間違ってはいません。 しかし、国民ひとり当たりのGDPを見ると世界24位となっており、欧米諸国の後塵を拝しています。

1990年代は世界でトップクラスだった日本の国際競争力は、2000年から大きく衰退し、国際社会における影響力も低下しています。

企業の時価総額を見ても国際競争力の低下は明らかです。1989年には世界ランキングトップ50社中32社を日本企業が占めていました。2022年現在、トップ50にランクインしている日本企業は31位のトヨタ自動車のみです。

今の日本には最早、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と呼ばれた経済大国の面影はありません。

日本の国際競争力はなぜ低下したのでしょうか。大きな理由のひとつは日本人の労働生産性の低さです。

日本人といえば、勤勉で忠実、きめ細かく丁寧、手先の器用さを生かした高い技術力を誇っています。日本人の労働生産性が低いと言われて驚く人も多いのではないでしょうか。

しかし、日本人の労働生産性はOECD加盟国36か国中21位。主要先進国(G7)の中でも最下位となっています。

日本人労働者の質が諸外国と比較して低いかというと、そうではありません。

残業や長時間労働を前提とした非効率な労働環境。トップダウン型の企業構造により、意思決定にかかる時間やコストの浪費。終身雇用・年功序列のシステムにより、労働・成果に対するモチベーションの低下。このような原因により、日本の生産性は向上していないのです。

日本人は諸国と比較し、残業時間が圧倒的に長いという現実があります。ドイツと比較するとひとり当たりの年間労働時間は350時間も長くなっています。日本では当然のように行われている過剰なサービス、上司への忖度による残業、無駄な長時間労働が日本の労働生産性を低下させているのです。

労働の効率化には、企業の意識改革が必要です。

非効率な労働を見直し、最小の労働力で最大のパフォーマンスを上げることに真剣に取り組まなければいけません。

2016年に「働き方改革実現会議」が設置され、「働き方改革法案」が2018年に成立しました。時間外労働時間の上限設定や年5日の年次有給休暇の取得義務化など、労働関連の法改正が行われています。

しかし、まだまだ労働現場では目に見える成果につながっていないのが現実です。

よりスピード感を持って、労働環境を改善する必要があります。

また、海外と比較して企業のIT関連投資が少ないことも日本の特徴です。

労働の効率化のためには、IT化は不可欠です。欧米諸国が労働生産性を向上している最大の要因はITによる効率化です。しかし、残念ながら日本はデジタル分野において大きく後れを取っています。大手銀行の度重なるシステムトラブル、政府主導の新型コロナウイルス接触確認アプリの不具合など、日本のトップクラスの企業や行政でもデジタルにおける失敗例を挙げればきりがありません。

企業は優秀なIT人材に対しても能力に見合った報酬を支払おうとせず、IT人材育成への投資も怠っています。優秀なIT人材の育成、デジタル教育には官民が連携しながら十分な投資をしていかなければいけません。

それが生産性の向上、国際競争力の向上につながっていくはずです。

高度IT人材を育成することは日本の国際競争力を高めるための大きな課題です。デジタル教育も含め、日本の高等教育の現状はどうなっているのでしょうか。

次の章では日本の高等教育について言及したいと思います。

https://www.globalnote.jp/post-1339.html
https://media.startup-db.com/research/marketcap-global-2022
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山口和之
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