名古屋城天守閣視察

IMG_3843崩れ落ちる首里城。その様子をテレビ映像で見ながら深い悲しみと喪失感に包まれた。沖縄の方々の心情を思うとき、言葉にならない。

首里城の建築物のほとんどは第2次世界大戦で焼失している。図面や焼失前に撮られた写真が豊富にあり、考古学的調査を背景に史実にできる限り忠実に復元されたとうかがっている。それだけに、焼失は残念でならない。ぜひ復元に向けた運動の輪が広がることを願いたい。

IMG_3851さて、首里城が全焼した10月30日、「2度と燃えない天守閣をつくりたい」として、市民の寄付により鉄筋コンクリート製で再建された名古屋城天守閣を視察した。現天守は平成30年5月7日から耐震強度が低い(耐震診断の評価はIs値0.14、Ct・Sd値0.07で、震度6強程度の大規模地震に対して倒壊し、または崩壊する危険性が高い)として閉鎖されているため、ヘルメットを着用して天守閣の内部に入った。

IMG_3853すでに閉鎖から1年半が経過していることから、内部は埃が堆積していると考えていたが、天守閣の中はごみ一つない状態に維持されており、また、エレベーターの法定点検もなされるなど、今日にでも一般公開できそうな状態に保全されている。一部、展示物は撤去されているものの、多くの展示物は閉館以前のまま。担当者によるとこれら展示物を収蔵する場所がないとのこと。

IMG_3848現天守の解体申請が文化庁から認められる見通しもない現状の中で、仮にこのまま10年、20年が経過するなら、現天守閣を耐震化して、多くの観光客や市民の皆さまにご覧いただけないものかと思う。その上で、地に足をつけ、天守閣木造復元を目指す方が賢明で現実的のようにも思える。
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横井利明
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