中部国際空港株式会社は、9月20日(金)、LCC(格安航空会社)向けの新たなターミナルとして「第2ターミナル(T2)」の供用を開始した。国内線はエアアジアとジェットスターの2社がT2を使用し、国際線は国内線2社に加え、エアプサンとチェジュ航空、ティーウェイ航空の韓国のLCC 3社が使用する。早速、T2を利用したので感想を申し述べたい。
まず、セントレアT2を利用するにはかなりの注意が必要だ。
T2はLCCが空港利用時に負担する経費を極力抑えることをコンセプトに建設されているため、館内は必要最小限の設備しか備えられていない。そのため、利用者サービスは大幅に低下。バリアフリーではない箇所が多く、ムービングウオークなども存在しないため、障害をお持ちの方、ご高齢者の方、荷物をたくさんお持ちの方には特に注意が必要となる。
■ T2に到着到着して
熊本からLCC「ジェットスター・ジャパン」でセントレアT2に到着した。通常は飛行機の乗り口と旅客ターミナルの搭乗口ととをつなぐ「ボーディングブリッジ」を通ってターミナルビルのロビーにはいるが、T2には「ボーディングブリッジ」が存在しない。したがって、航空機から歩いてタラップを降り、徒歩でエプロン(駐機場)に設置された「屋根付き通路」を通ってT2に入る。空港会社に支払う「屋根付き通路」の使用料は、「ボーディングブリッジ」の使用料に比べてに、一便あたり3分の1以下とのこと。
また、ターミナルビルに入った後、長い階段をのぼり、その後、階段を下って、ようやくロビーに到着。その後、数多くのゲートを横目に約20分歩くと、ようやく、ボーイング787型機を展示する複合商業施設「Flight of Dreams」に到着できる。そのころには、もう誰もものをいう人はいないほど、疲れ果てていた。 その後、T2とT1を結ぶ「空中回廊」を通ってT1のアクセスプラザに向かう。距離は500~600m。ここにはムービングウオークが設置されているので、一息つくことができた。 ■ T2の注意点 アクセスプラザからT2の最も遠いボーディングゲートまで30分は必要となる。時間的余裕を持って行動しないと、乗り遅れといった結果にもなりかねない。特に、重い荷物をもってこの長い距離を歩くのは大変であり、手荷物は極力減らしたい。また、バリアフリーのない箇所が少なくなく、障害をお持ちの方、ご高齢者の方は、事前に窓口で対応を確認したほうがいいかもしれない。いずれにしても、セントレアのT1とT2は全く別物と考えた方がいい。
いずれにしてもT2はコスト至上主義。建設費を抑制するため、ムービングウオーク(動く歩道)や展望デッキ、ラウンジなども設置されていない。通路や階段も狭く、天井も低い。鉄骨や配管もすべてむき出し。まるで工場の中。 しかしいくら何でもバリアフリーへの配慮が欠けているのはやり過ぎではないかと思わざるを得ない。