現場に導入させないよう

 道教組・高教組による緊急シンポ「1年単位の変形労働時間制の問題点を考える」は会場いっぱいで、資料も足りなくなるほど。「導入させないために、たたかいはこれから」と意気高いシンポジウムでした。

 全国過労死を考える家族の会の工藤祥子さんが、講演をおこないました。工藤さん自身が教員だった連れ合いを過労死でなくし、臨時国会でも参考人質疑として陳述されています。「私の話の結論は、学校はブラックではなくカラフルな場にしたいということです」と語り始めました。

 お連れ合いさんも定期検診を受けて「くも膜下出血を起こす可能性はほとんどない」と診断されたにもかかわらず、他界1ヵ月前の時間外労働が206時間もあり、発症後5日で亡くなられたのです。それでも時間外労働と認定されたのは97時間のみ。「労働ではなく、勝手に仕事をした分」とされてしまうのです。

 いちばん心に響いたのは「子どもたちのための過労死でなく、子どもたちのためにと増やされた仕事による過労死です。他界する前は、ほとんど子どもたちにも会えませんでした」との言葉でした。教育は限りがない仕事と言いますが、いま現場で起きているのは過剰な業務や教員数の不足によるものなんです。

 「世論が動き始めた今がチャンス」と工藤さん。しかし当事者である先生たちも忙しかったり、工藤さんさえ「当時の私は給特法など知りませんでした」という状況もあるなか、声を上げ続けるには労働組合やいっしょに活動している仲間の力が必要です。もちろん政治に携わる私からも、いっしょに声を上げていきたい。

 これからは、導入させないための自治体ごとの活動になります。民間なら労使協定が必要とされるのに、条例や規則によって決められるとなれば当事者である教職員の意見が反映されなくなります。手続き上も問題ですし、導入した私立学校では労働時間数が増えたとの報告もありました。道議会や札幌市議会での活動も大事になってきます。

 第1次政権時代の教育基本法改悪も含め、どれだけ安倍政権のもとで教員や子どもたちが苦しめられてきたことか。ゆきとどいた教育を求める全国署名が、道教組・高教組・新婦人・道退教などで40,838筆、私学では41,039筆も集まったとの報告もありましたが、多くの方が学校の現状に胸を痛めている証拠だと思います。労働時間を伸ばすのでなく、先生を増やすことと学校に余裕を。早く安倍政権を変えたいと、つくづく今日も感じたシンポジウムでした。

 明日は道党会議で、そのための会議や原稿準備のほか、紙智子参議院議員と新年用メッセージのビデオ撮りも。本当に師走は駆け足で通り過ぎます。

 【今日の句】辛いこと 恥ずかしくなく 口にして
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畠山和也
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