新型コロナウイルスが世界中に拡大し、WHOはパンデミックを宣言した。2020東京五輪が予定通り開催されるかどうか、微妙である。 この問題を考えるための二つの基本文書を解説するが、基本的にはIOCが損をせず、開催都市の損害が甚大となる法的仕組みとなっている。 まずは、私も都知事として追サインした「開催都市契約」である。* * *<開催都市契約>「66. 契約の解除」a) IOC は、以下のいずれかに該当する場合、本契約を解除して、開催都市における本大会を中止する権利を有する。1. i) 開催国が開会式前または本大会期間中であるかにかかわらす、いつでも、戦争状態、内乱、ホイコット、国際社会によって定められた禁輸措置の対象、 または交戦の一種として公式に認められる状況にある場合、または IOC がその単独の裁量で、本大会参加者の安全が理由の如何を問わす深刻に脅かされると信じるに足る合理的な根拠がある場合。* * * 新型コロナウイルスの感染拡大は、「本大会参加者の安全が理由の如何を問わす深刻に脅かされると信じるに足る合理的な根拠がある場合」であることは確かである。したがって、IOCは契約を解除して、東京五輪を中止する権利がある。 次は「オリンピック憲章」である* * *<オリンピッ続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』