歴史の不公正をただして

 旧ソ連からロシアへと、不当に占拠されている千島諸島と北海道の一部である歯舞群島・色丹島。今日は「北方領土返還要求根室市民大会」が開かれ、市中に「北方領土をかえせ」との声があがりました。

 毎年おこなってきた市民大会もコロナ禍で開催が心配されましたが、感染防止対策もおこなって実施にこぎつけたようです。ただでさえビザなし渡航などの実施が不透明となっているもと、声をあげる機会すら失ってしまえば、日本側のメッセージは無きものと映ってしまいます。

 そういうことがないようにと、元島民や根室市はじめ5自治体が返還要求の声を上げ続け、時には手弁当で全国を駆けまわり、世論の喚起に力を尽くしてきました。思い出のある自宅や先代が眠っている墓にさえ行くことができず、どれだけ元島民が悔しい思いをしてきたか。海域が狭いゆえ、基幹産業である漁業と関連産業も苦しさが続いてきました。

 そもそも領土は国家の主権にかかわる根幹なのですから、根室市から、そして北海道から、返還要求の声を上げ続けなければ政治が動かないというのではダメ。北海道で活動している私のような政治家も、思い出したかのように取り組んでいては本来はダメ。そういう点からも、市民大会を開いて声にする意義はとてもとても大きいのです。

 ロシア側は憲法改正をおこない、領土交渉には硬い姿勢を貫いています。安倍首相が(本人は口にしないものの)進めてきた「2島返還」交渉は、根本から見直す必要があると思います。私自身も国会で直接に質問しましたが、あらためてヤルタ協定をはじめ歴史の不公正をただす立場を貫いて、対ロ交渉だけでなく国際社会にも反映させていく必要があるのでは。

 市民大会のなかで、ある元島民は「こうなればなるほど、(北方領土返還を)叫びたくなる」と報道に答えていたようです。この悲願を安倍首相が受け止めているのなら、まずは国民へ、みずからの言葉で方針を語るべき。メッセージがなければ、ロシアにも何も伝わっていきません。

 【今日の句】外交の安倍と 言ったの誰だった
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畠山和也
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