7月12日、東京都に4度目の緊急事態宣言が発令され、東京五輪は、首都圏、北海道、福島県は無観客開催に決まった。観客を制限してでも入れるのは静岡県と宮城県で、900億円と見込んでいたチケット収入も、チケット445万枚の97%が払い戻されるため、わずか3%の27億円の収入のみとなる。 その穴埋めは組織委では無理なので、開催都市の東京都が行うことになる。都ができないときは国が面倒を見ることになる。IOCは一円も出さない仕組みだ。 日本国民もIOCの傲慢さに次第に気づいてきているが、IOCが「不平等条約」を強いることができるのは、開催地に立候補する都市が多く、IOC委員に賄賂を渡してでも開催を勝ち取ろうとしてきたからである。どんな要求を出しても開催都市は不満を言わないという奢りがIOCに生まれるのは当然である。 しかし、今や状況は様変わりしている。五輪の開催には巨額な経費がかかり、また競技場建設による環境破壊など様々な問題を引き起こすとして、反対する住民が増えており、住民投票で立候補を断念する都市も出ている。 1964年東京大会は新幹線や首都高速道路を遺産として残し、まさに戦後復興の象徴となった。しかし、今回の大会は何をレガシーとして残すのであろうか。 私も都知事として、大会の準備に邁進してき続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』