クリミア大橋爆破へのロシアの報復

 10月8日早朝に、クリミア半島とロシア本土を結ぶクリミア大橋で爆発事故が起こったが、ウクライナによるテロ行為だとして、ロシアは、ウクライナ全土にミサイル攻撃を行っている。 戦争はエスカレートし、停戦の見通しは全く立たなくなった。ゼレンスキー大統領は、クリミアを奪還するまでは、戦争を続ける覚悟のようである。また、プーチン大統領も自己の威信をかけて反撃に出ている。 西欧諸国では、長引く戦争のために、光熱費や小麦粉の値段が高騰し、国民の不満は高まっている。  実は、そのような西欧諸国の「ウクライナ疲れ」こそ、プーチンの期待するところである。西側の人々の不満は、寒くなればなるほど、暖房費用の高騰ということを背景に高まっていく。そして、対露経済制裁への反対も強まっていく。 これこそが、寒い冬にプーチンが期待するところである。ロシアには、豊富なエネルギー資源があるし、ロシア人は極寒に耐えることができる。第二次世界大戦の独ソ戦では、ドイツ製の兵器は零下20℃にもなると稼働しなくなったが、ロシア製の戦車などの兵器は動いていたのである。兵隊の冬装備も、ロシアのほうがドイツよりも優れていた。ナポレオンもヒトラーも、ロシアの冬将軍に負けたのである。 プーチンが期待するのは、同じような冬将軍であり、ヒトラーに勝ったスターリンの戦略である。プーチンは、徴兵拒否や前線離脱に厳罰を以続きをみる

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