10月17日、ジョンソン首相はEUと離脱条件について合意した。具体的には、北アイルランドに英関税を適用するが、EUへの玄関口の機能も維持するという内容だ。 問題は英議会の承認を得ることができるかである。野党の労働党は反対、閣外協力をしている北アイルランドの民主統一党(DUP)も新合意案に反対であり、過半数を獲得できるかどうかは不明である。19日に下院で採決が行われるが、ジョンソン首相には何らかの勝算があるのだろうか。EU離脱をめぐって、イギリスの政治は混乱を続けてきたが、それに終止符を打つことができるのだろうか。 これまでジョンソン首相は、議会が決めたことを無視し、民主主義の基盤が覆すようなことを行ってきたが、議会制民主主義の祖国としては、絶対に行ってはいけない暴挙である。ボリスは、国民が直接国民投票で決めたことは絶対だと言ってはばからず、その錦の御旗の前には議会のルールも何の意味もないと考えているかのようである。 ナチスは1933年に政権をとるとすぐに、国会を通さずに民意を問う手段として「国民投票法」を制定した。そして、ヒトラーは大きな政策変更を行続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』