日産の西川社長が辞任した。フランス紙は「ブルータスよ、おまえもか」と、ゴーン会長を追放した西川社長が失脚したことを皮肉ったが、日産はルノーやフランス政府との関係をどうするのか。 ルノーの筆頭株主は15%の株を持つフランス政府であるが、2014年に制定されたフロランジュ法(2年以上の長期株主には2倍の議決権が与えられる)によって議決権が倍増している。 ルノーは日産の株を43.4%保有し、日産はルノーの株を15%持っているが、フランスの法律では、40%以上の出資を受ける子会社(日産)は、親会社(ルノー)に対して議決権を持たないとされている。つまり、二つの側面から日産はフランス政府・ルノーにがんじがらめに縛られているのである。 日産によるゴーン追放の「クーデター」は、この状況を打破し、独立性を得ようとする動きであった。 フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は、5月27日、ルノーに対し経営統合を申し入れたが、6月6日に、その提案を取り下げた。1925年に設立されたアメリカのクライスラーは2009年に経営破綻したが、イタリアのフィアット(1899年設立)が2014年に子会社化することによってFCAが誕生した。 ルノーにとっては、苦戦している北米市場ではFCAが強いので、その利点が活かされるし、次世代車開発に遅れをとっているFCAは、自動運転などでルノーや日産の技術を取り込むことができる。ルノー続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』