領土問題は遠い話ではなく

 紙智子参議院議員と「北方領土返還要求 北海道・東北国民大会」に出席しました。ロシアのウクライナ侵略により領土交渉が進まない状況に、元島民はじめ多くの方が悔しい思いをしています。だからこそ大会を開く意味がある、と口々に主催者側から語られました。

 写真のように来賓には「北方領土返還要求」のたすきが準備され、資料とともに択捉島や野生馬がプリントされたウチワ、四島を示す小さな餅4個なども。大会決議では「北方四島の一括返還に実現に向け、毅然たる姿勢で外交交渉に臨むこと」「北方四島周辺水域における安全操業を確保すること」など6項目が掲げられました。

 元島民代表の発言は、択捉島に住んでいた向田典子さん。8月28日に旧ソ連兵が上陸して自宅に入り込み「没収」の名で収奪され、その後に樺太へ追い出されていった屈辱を語られました。その間に多くの島民が亡くなり、故郷へ戻れない悔しさの言葉が、今のウクライナ侵略と重なって聞こえます。力にモノを言わせる覇権主義を、早く終わらせなければと痛感します。

 札幌の大学に進学した、根室市出身の学生さんのスピーチも胸に刺さりました。高校まで友達とも当たり前のように話していた領土問題は、札幌に来ると町には「領土返還」の言葉も見当たらないし、友人と話しても「北海道の右のほうでしょ」「この島は何て読むんだっけ」との反応にガッカリしたようなのです。

 しかし、この学生さんは「私だって尖閣諸島や竹島のことは、北方領土ほど熱を込めて話せません。めざすゴールを明確にすることや、知識量を増やせるような発信をいっしょに進めましょう」と呼びかけました。まずは北海道で誰もが領土問題を語れるようになってこそ、返還の世論も大きくなるはず。元島民の平均年齢も86.7歳(今年4月)です。北海道の政治家の1人として、私も力を尽くさねば。

 札幌を基点に活動していると「根室に行く」という表現を使います。学生さんが言うように札幌では千島問題が自分事でなく、根室や道東地方の問題ともとらえられがちです。しかしウクライナ侵略でも明らかなように、領土を奪う・奪われるというのは国あげての大問題のはず。国境画定=平和条約に至っていないもとでも、漁業や墓参をはじめ数々の努力があったことを、どれだけの道民が知っていることでしょう。

 しっかり北海道の政治課題として位置づけ伝えているかと、あらためて自問した大会でもありました。

 【今日の句】不当だと 国際世論に 高めねば
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畠山和也
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