かけがえのない仕事だから

 「来年3月末で滝川市内線の運行終了」(中央バス)など、バス運転手不足が深刻です。今月13日から51便を減便せざるを得なくなった「じょうてつ」にて、千葉尚子・前札幌市議(南区)と実態をうかがい、公共交通を支える国の役割を強く求めなければと、あらためて痛感しました。

 1915年に定山渓鉄道として設立され、3年後に白石~定山渓間の鉄道営業を始めたのが「じょうてつ」の歴史の始まりです。1973年から現在の社名に変更しましたが、100年を超えて地域に根ざしてきた大事な交通インフラです。

 「需給バランスが崩れるほど深刻の度を通り越している運転手不足は、今がピークではなく、窮地のスタートに立ったばかり」。現状の厳しさの率直な話から始まりました。大型2種免許を持つ事務員が運転業務をしてから、事務の仕事をこなした日もあったといいます。

 退職者分に採用者数が追いつかなく、2月という期中でありながら減便を決断したといいます。12月からの路線バス運賃改定も、運転手確保の抜本的な対策にはほど遠い。国や自治体による赤字路線の補填という支援だけでない、新たな「踏み込んだ支援」が必要です。

 例えば岡山市では、一部のバス路線について車両購入費やバス停整備費などを市が負担する「公設民営」方式を導入する方針です。運行費用の最大65%を、国の補助を受けて市が負担するといいます。今日も話題にのぼりました。

 今冬は「さっぽろ雪まつり」を前後して定山渓を訪れる外国人観光客も多く、路線バスが満員となって市民の「乗り残し」が発生しました。札幌市は想定外として今後の対策を検討するとしていますが、あわせて何より網羅的な路線維持の対策の検討を急ぐ必要があるのでは。

 札幌市は「敬老バス」を廃止して、新たな制度にしようとしています。もちろんバス利用も減ることから、事業所としては減収が予想されます。これでは公共交通の役割を、さらに果たせなくなってしまいかねません。

 運転手の処遇改善とともに、公共交通を担う社会的役割の大切さも話題に。「自分たちが市民の足を守っているという志をもって、運転者は仕事をしてくれています。その気持ちに報いたいし、必要な賃金が保障されるように」との話を、しっかり受け止めたい。

 公共交通や清掃・衛生分野、社会保障にかかわるエッセンシャルワーカーの社会的地位が低くては、人員不足は解消しません。ひとえに政治・行政の責任として、私も立て直しに力を尽くします。不要不急の大型開発や、膨張し続ける軍事費にメスを入れて、くらしの土台にこそ最優先に税金を!

 【今日の句】大雪の日でも 日常守ってる
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畠山和也
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