右往左往・なりゆき任せの農業政策

 今日は紙智子参議院議員と日高管内へ。足を運んだ目的の1つが物価高騰の影響調査で、農家の実態をつぶさに聞きました。水田活用交付金の見直しという、もともと水田であれば牧草地さえも5年に1回は水田に戻せという、乱暴な施策への不満も次々と出されました。

 浦河町では池田拓町長から公共交通を中心に、産業課長さんなどから農林漁業の現状をうかがいました。昨日の厚真町長さんと同じく、新自由主義を続けては地域が成り立たなくなる危機感に触れられていて、まったく私も同じ思い。物価高騰も地域生活や産業を圧迫していて、政府の対策はどうなるのか注視している現状は、どこも共通しています。しっかり国会と連携して、北海道の実態も反映させねば。

 日高管内は全国最大の軽種馬産地で、見渡す限り牧草地。過去に水田だったところもあり、このままでは補助金を減らされてしまいます。全国生産者からの声があがって、政府は突然「播種(種まき)をすれば」これまでどおりの金額を補助すると通知しました。でも春になってから播種と言われても計画外で、まず種を買わなければなりません。早い者勝ちという状況になって、手に入らなかった農家もいたようです。

 昨日の厚真町でも同じく、畜産農家を中心に話をうかがったなかで出されました。今日の新冠町でも同じ話が出され、「来年の分を買う予定を立てなければいけないが、確保できるんだろうか」との心配も。国の制度が右往左往すると、現場が混乱するという見本みたいな事態なのです。

 そのうえ飼料や肥料、生産資材の高騰はなりゆき任せ。肥料は使用量を2割削減すれば補助するという条件つきで、「これまでもコストカットなど努力している。減らせば収量や品質の心配もあるのだから、その支えなしに条件だけ付けられても‥‥」と困惑の声も聞きました。見通しが持てなければ離農も広がりかねません。「食料自給率を上げることにも逆行する」という意見も、まったくそのとおりです。

 ピーマン生産全道一の新冠町では、園芸農家の苦労も聞きました。うかがった先は、2018年の豪雪でハウスが全面的に被害を受けた方。私も新ひだか町で調査に入り、支援を要望した雪害だったので、よく覚えています。この方は結局みずからハウス10棟を再生(!)し、今は軌道に乗ったわけですが、その苦労は相当だったと思います。それが今度は資材高騰。どの農家も等しく打撃を受けていることが、よくわかりました。

 食は命の源であり、農林漁業は地域社会を支える大黒柱。すぐ働き手を増やせないし、すぐ再生産できないのですから、なくなってから重大さに気づいたのでは遅すぎる。生きていく足元をないがしろにする政治では、国民も地域も守れません。久しぶりに多くの農家や農協の方と話すことができ、その大切さを確認できた1日でした。

 【今日の句】自給こそ大事と 何度も声にする
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畠山和也
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