鉄道開業150年の今日、私は新得町へ。JR北海道が6年超も災害復旧をせず、廃線を迫ってきた根室本線(富良野ー新得間)。国や道も責任を負わず、沿線自治体に負担ばかりを押しつけてきました。あらためて「根室本線の災害復旧と存続を求める会」の代表・平良則さんと事務局長・佐野周二さんとの懇談。青柳茂行町議も同席しました。新得町では3月に住民説明会がおこなわれ、そこでは「自治体が国に働きかけて存続を求めるべきだ」などの訴えがあったそうですが、町側から「国からの支援がなく苦渋の選択」と回答されたといいます。そもそも財政力の弱い自治体に負担を押しつける、その国の姿勢こそが問題です。
沿線首長は存続を断念しても、町民はあきらめていません。「首長は同意と言うけど、まだハンコは押していない」(佐野さん)と、会は先日、総理や道知事、道振興局への要望書も提出・郵送しました。帯広市で学習会も計画したいといいます。モノ言わない道の姿勢は結局、国いいなりということ。平さんの「鉄路の存続へ、知事が先頭にたっている県もあるというのに」という言葉に、私も心から納得。道内各地で、道が当事者という認識があるのかと厳しい意見を何度も聞いてきました。「私が勤めていたときのものです」と、国鉄当時の制服を着てくれていた佐野さん。平さんも、民営での炭鉱列車が始まりだった道内で「国は戦争の時に買い取っておいて、赤字になったら民営化で解消と格好いい事だけ言ってきた」と語られ、お2人から鉄路への熱い思いが伝わりました。新得町は、NHK朝ドラの記念すべき100作目「なつぞら」の主要ロケ地。十勝から富良野へ、富良野から十勝への観光路線としても意味も大きく、何より北海道の中心地を走る幹線です。鉄路の活用をと、住民からさまざまなアイデアも出されていました。赤字だからと切り捨てれば、最大の赤字路線である新幹線も含めて、北海道では全路線がなくなってしまいます。昨日の「道新」社説では「収益性と公共性は必ずしも一致しない。上下分離が主流の欧州では国と自治体が鉄路を守る」と指摘していましたが、国鉄の分割・民営化路線も再検討し、国が公共交通を守る責任を果たすべきです。温室効果ガス排出削減、トラック貨物輸送の人員不足も解決が急がれるなか、その解決の一端を担える鉄道はこれからこそ、その可能性を生かす時では。道内での世論喚起や合意づくりに力をあわせていきたい。【今日の句】切り捨てるばかりで この国成り立つか