医療・介護体制こそ手厚く

 北海道で新型コロナ感染者の再拡大とともに亡くなる方も増え、病床使用率も高まり、釧路市立病院をはじめ救急体制もひっ迫してきました。医療・介護・福祉職場での集団感染で、体制が組めない事態も広がっています。

 釧路にはDMATが派遣されましたが、どの地域でも同じようなことは起こりえる。医療体制が厳しい地域が多い北海道で、当面は力を集中することで乗り切れても、根本的には医療・介護などの体制を厚くするために国が責任を果たすべきだと思います。

 国会では感染症法改正案が審議中。感染症病床の確保などへ、都道府県と医療機関が「協定」を結んで備えていくというものですが、正当な理由なく協定を履行できない場合は重いペナルティーが課されます。必要なのはペナルティーでなく、財政支援と人員増ではないのか。

 地域でがん医療や高度医療を担っている医療機関が、感染症病床を確保することで、そのような医療を提供できない事態がありえます。これまで国はコロナ禍の2年間で、民間病院も含めて5616床も減らしてきました。病床を減らしておきながら「感染症には対応を」と言われても、現場では対応しきれないのではないのか。

 読売新聞が「コロナ警告(アラート)」という記事を連載していました。「専門外だから」と感染者を診ない医師が取り上げられていましたが、診察へのためらいや感染リスクへの不安もあるでしょう。専門分化の弊害か、とも書かれました。そもそも感染症医の人数が少なく、診療報酬上も冷遇されがちだったといいます。

 公立・公的病院が大きな役割を担った地域もあるし、懸命な対応を今も続けている民間医療機関もあります。関係機関の連携や合意でなく、拙速にペナルティーをもって進めるべきなのか。この間のコロナ対策や医療政策への、じゅうぶんな検証や総括が必要です。

 朝日新聞に「ケアワーカーがいなくなる」との連載も始まりました。ある専門学校の介護福祉科は定員40人のうち在籍14人で、そのうち日本人学生は6人。留学生のほうが多く、来春にはこの科がなくなる予定だそうです。感染症への対応だけでなく、ただでさえ少ない介護の担い手不足に道内各地で悲鳴があがっています。

 ケア労働に対して、まだまだ国の位置づけや社会的評価が低すぎる。働いている方々の誇りを支え、処遇や労働条件の改善を。強制ではなく、国が責任を果たす姿勢を見せてこそ。人口減少が激しい北海道から、声をあげていきたい。

 【今日の句】ケアこそに 国が本気で 財政を

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畠山和也
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