正体不明の土を置かれたくない、という思いは当然です。新幹線トンネル工事のなかで突然に現れた「条件不適土」なるものの説明を求めて、鉄道・運輸機構へ足を運びました。橋本みか小選挙区5区予定候補、菊地葉子道議、前田治北斗市議らがいっしょです。
ことは9月17日、北斗市議会で機構が初めて「条件不適土」なる言葉を持ち出し、その定義はじめ詳しい説明はなく「第三者委員会で検討中」として、住民からの不安があがってきました。ヒ素など重金属を含む「要対策土」と、何が違うのか。基準以上の量が含まれているのか、何か違う成分が混じっているのか--いずれにしても土捨て場・仮置き場から浸透していくことはないのか、不安な気持ちが起きるのは当然です。
しかも、この「条件不適土」が最初に出土したのは2018年10月。その事実を、機構が市に報告したのは翌年2019年7月。そして市議会への報告は、仮置き場が満杯になったことを理由にして今年の9月です。つまり約2年近く、市民や議会には「条件不適土」の存在は知らされなかったことになります。報告があったのは仮置き場が満杯になったためで、そうならなければ隠され続けたことになっていたかもしれません。
この経過について、前田北斗市議が機構に説明を求めました。「条件不適土」とは「受け入れ地の搬入条件に適さない土」ですが、第三者委員会にはかり地元(地権者)に示したものだといいます。公表まで時間がかかったのは、「仮置き場で適切に管理しながら、土捨て場での対策を模索してきた。約1万㎥で収まると思っていたら増えていくことが明らかになり、その間の時間を要してしまった」とのこと。つまり、想定外のことだったというのです。
事前の文献調査やボーリング調査でわからなかったのか聞くと、急な山腹もある北海道ではボーリング調査での難しさがあることや、横から掘っていくなかからでしかわからなかったこともあった、と述べられました。そうなると、この工区以外も同じことが起きないかと誰でも思うことでしょう。今後については「じゅうぶんな対策を第三者委員会で検討した後に、条件が整った受け入れ地で適切に処理したい」と述べました。
あらためて問いただすなかで、出た土の分析にも、その後の対策にも時間を要しているといいます。前田市議が「北斗市で受け入れるときには数ヵ月で結論が出たのに、それだけ時間がかかるものか」と指摘したとおり、すでに約2年が経っているのです。
水質の安全性については、機構側が市議会へ提出した資料では、ヒ素が環境基準値ギリギリの値を示しています。機構側は「基準を超えていないので大丈夫」と強弁しましたが、25mまで盛るはずの要対策土が10mでとどまっている時点でも水質は基準ギリギリ、ということなのです。しかも、まだ成分がわからない正体不明の土が出ているのですから、市民が今後のことに心配になるのも当然です。
北海道は各地に鉱山などがあり、以前から重金属等の特定有害物質が多いのではとの指摘がされてきました。「条件不適土」の正体はわかりませんが、このような指摘が裏付けられたのではないかと私は思っています。それならそれで透明性をもって、誠実に機構も説明すればいいのですが、これだけの時間を要してきました。「住民が説明を求めたら応えますね」と私が聞いたときに、一瞬つまって「市と協議したうえで」などと話すようでは、説明責任を果たす姿勢があるのかと疑わざるを得ません。説明できない状況なら、該当工区はもちろん全区間の工事凍結をと、あわせて要請しました。
その後は橋本予定候補と厚別区であいさつまわり。「夕張にいたときに、小さい集落の要求を共産党が取り上げてくれたことを覚えている」「(国政候補を務めた)外尾静子さんのようなやさしい人こそ国会で働いてほしい」など、地域の党員さんも初めて聞くような党との結びつきを聞くことができたり、「菅さんになったら、安倍首相より悪くなった気がする」とズバリ話される方も。入党された方もいらっしゃいました。私も元気をいただきました。
【今日の句】初めから 工事に無理は なかったか