今日は小林多喜二の没後90年。小樽・奥沢墓地にある小林家の墓(写真)は、父を亡くした多喜二が原稿料収入500円を母・セキさんに送り、建立されたものでした。墓前祭は月をあらためて実施されますが、やっぱり今日は党の大先輩・多喜二へ思いを馳せる日にしたい。
多喜二の命は奪われても、平和・自由や民主主義を求める志は、しっかりと受け継がれています。科学的確信とともに、ヒューマニズムも揺るがずに貫いていきたい。昨日から、あらためて「蟹工船」「党生活者」を読んでいて「歩みを止めるんじゃないよ」と、背中を押された気分になりました。
「もう一度立たねか、みんなのためもう一度立たねか」--遺体となった多喜二を前に、セキさんが語った言葉を、今日の「しんぶん赤旗」の「潮流」が紹介していました。理不尽な現実を前にも、労働者の仲間が団結して再び立ち上がる--多喜二の作品に、私も何度励まされてきたことか。
「こんな事で一々泣いたりほえたりしていた日にゃ、俺たちの運動なんかできるもんでないよ」(「一九二八年三月十五日」)。
ロシアによるウクライナ侵略、それにも乗じた岸田政権の大軍拡方針と、漠然とした不安も抱える今日。しかし、多喜二が拷問・虐殺された時代から、歴史は前へ進んできました。「戦争反対」「大軍拡より外交努力を」と、多くの方が声をあげています。あの時代に多喜二が立ち上がったからこそ、今の私たちの力になっています。
2023年の私たちが声をあげることは、次の世代にもつながっていくはず。それが社会をよくしていく、いちばん確かな道です。確信もってがんばりたい。
【今日の句】丘に立つ 多喜二の思い 今もなお
(※この句は小樽・都通りにある「切り絵カルタ」の一枚からです)