昨日、木幡秀男さん(認定NPO法人・働く人びとのいのちと健康をまもる北海道センター事務局長)が札幌市長選挙へ立候補すると表明しました。労組や市民団体、政党では日本共産党と新社会党が参加・設立した「いのち☆くらしが一番の会」が母体となります。
木幡さんは北海道勤労者医療協会で勤務し、ソーシャルワーカーやケアマネジャーとして力を発揮してきた医療・介護・福祉の専門家です。一昨年から上記センター事務局長ですが、それ以前にも多くの市民運動にも参加されてきました。道庁前の反原発抗議行動や、毎年の「介護の日」行動など、私も何度もいっしょに活動させてもらいました。
4年前の市長選挙で、渡辺たつお候補が「1000億円道路」(都心アクセス道路)より「いのち☆くらしが一番の札幌を」と訴えて約3割の得票があり、秋元市長への厳しい市民世論が明確になりました。この4年間で、子ども医療費無料化などが拡充されてきたのは、このような市民の声や継続した要請などがあったからです。
コロナ禍や物価高騰で、市民生活や中小業者の疲弊が広がっています。今こそ「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として」(地方自治法第1条)行政を進めるとき。争点である冬季五輪招致は中止するとともに、秋元市政の大型開発優先を切りかえて福祉・くらし・教育の充実や中小企業振興を進めたいと、木幡さんは会見で力を込めました。
木幡さんが「憲法9条と25条を市政に活かす」と述べたことに、思わずハッとしました。首長が自分の理念や基本的立場を示し、どのような町にするかを示すことこそ大事だと思います。東京の選挙で恐縮ですが、杉並区長選挙で杉本聡子さんが「公共の回復」を明確に掲げて当選したことが頭に浮かびました。
冬季五輪招致や大型開発と重ねて、何かと民間活力が強調されている今の札幌市。一方で、老朽水道管の耐震化工事をすべて終えるには現状のままだと約80年かかる計算です。先日、函館での水道管破裂が報じられましたが、札幌市の足元は大丈夫なのか。除排雪を含め生活インフラの優先こそです。
何より医療・介護の現場で聞いてきた市民の声や、働く人の労働災害・ハラスメントの相談を受けてきた木幡さんだからこそ、市民と心が通った札幌市に生まれ変わるはず。道都・札幌の市長という位置を考えれば、岸田政権の大軍拡・大増税に地方から声をあげる点でも大きな意義をもつと思います。
市議会では、公明党と並んで第3党・10議席となった日本共産党が果たしてきた役割が大きかった4年間だったと思います。「オール与党」のなかで冬季五輪招致中止や住民投票の実現をとふんばり、さまざまな市民要求の実現へと力をあわせてきました。今回の市長選で五輪招致や大型開発、市民のくらし支援が大きな争点となっているのは、市議団の論戦や活動とともに、前回の選挙から「いのち☆くらしが一番」と掲げてきた1つの結果だと私は思っています。
新しい札幌像を掲げる木幡市長を誕生させ、議会では日本共産党市議団の前進を。私も力を尽くしたい。
【今日の句】新しい 札幌像が 見えてくる