本当にライドシェア解禁でいいのか

 自民2議員が立件され、派閥を解散すると言っても、求められているのは裏金を何に使ったのかなど真相解明ではないのか。カネの力で財界・大企業優遇の政治が続けられてきたことにこそ、根本的なメスを入れなければいけないと思います。

 この30年間は新自由主義路線のもとで規制緩和などが進み、雇用分野や地方経済が大きな打撃を受けました。札幌地区労連で非正規雇用について、道ハイヤー協会ではライドシェアについて懇談にまわりました。今日はライドシェアに絞って記しておきたい。

 自家用車でお金を取って運送する「白タク」行為の解禁ではないと、国会では国交省も答弁しています。地域交通などの担い手不足が社会問題になってきており、岸田首相による指示を受けて、検討が進んでいる段階です。

 タクシー業界は2000年代の規制緩和によって台数が大幅に増え、過剰供給・競争激化による収入低下が大問題となりました。何より命を乗せて運ぶ仕事ですので、安全・安心が大前提。そのための免許制度でもあるはずです。

 全国ハイヤー・タクシー連合会は、ライドシェア解禁に反対を表明しています。道ハイヤー協会で詳しく聞くと、いま国交省での検討結果を待っている状況とのこと。いずれにせよ、マッチングアプリを用いたライドシェアは認められないとの話です。

 コロナ禍を経て減少した運転手も、昨年から増加傾向といいます。運賃改定が認められ、給与が過去最高額にまで引きあがったことも大きい。勤め始めて慣れないうちは、歩合制でなく固定給にしている会社もあるとのこと。女性が働きやすいよう、業界としての努力も進めてきたといいます。

 政党のなかで、ライドシェア解禁に積極的なのが維新。大阪万博会場へのアクセスが、非常に脆弱だからでしょうか。一時的な需要を満たすために、安全・安心を放棄するライドシェアは、やっぱり認められません。

 一方で、北海道各地でタクシー運転手が不足しているのも事実。「個人タクシーは30万人以上の人口がいるところのみ。『自分の故郷が困っているなら、少しの間でも走らせていい』という運転手がいても、生活できる稼ぎが保障されるわけではない。そのような運転手を増やすなら生活保障がないと」との話など、いろんなヒントをいただきました。

 タクシーは公共交通機関だと、国も位置づけています。それならライドシェアではなく、公的な支援を強める方向での検討こそ必要ではないか。需給状況の検証も欠かせません。市場原理優先の新自由主義からの切り換えこそ、カギだと思います。

 昨年11月に、衆議院国土交通委員会で高橋千鶴子衆議院議員が質問しています(こちら)。ぜひ、ご覧になってください。

 【今日の句】結局は 安全よりも カネ優先
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畠山和也
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