「いのちとくらしを守れ!北海道総決起集会」も早や9回目。人権保障に反する全世代型社会保障をやめさせよう!と、意気高い集会とデモパレードになりました。主催は消費税廃止北海道各界連絡会/北海道高齢期運動連絡会/介護に笑顔を!北海道連絡会/北海道社会保障推進協議会です。
記念講演は「尊厳をもって地域で生きる」と題して、金沢大学名誉教授の井上英夫さん(日本高齢期運動サポートセンター理事長)がおこないました。「基本的人権に対しては『支援』ではなく『保障』なのです」「自民党の憲法改定案で97条を削除しているのは、国民のたたかいを恐れているから」など、人権としての社会保障を確立するうえでの課題を明確にされた講演でした。
国連の原則や北欧社会の到達点なども紹介されて、あらためて日本政府の遅れを痛感させられます。国民から「生活保護が高すぎる」などと出される声も、生活保護基準が高いのでなく賃金や年金が低すぎることが問題で、曰く「劣等処遇意識の克服」も必要だと井上さんは強調されました。人権保障に向けた世論と運動を高めなければいけないですね。
各分野からのリレートークで、いのちとくらしが脅かされている現実が浮き彫りにもなりました。消費税増税による景気後退もあり業者の廃業も出てきていたり、職場でも「最低賃金のためフルに働いても月13万円」(清掃業)や「夜勤をしても手取りで月20万円を超えない」(介護職)といった状況は改善されていません。年金や生活保護の削減で人間らしい生活にほど遠い現実や、高すぎる国民健康保険料が払えず命にかかわる実例も告発されました。
公立・公的病院の再編統合や、介護現場での人手不足と相次ぐ施設閉鎖で、安心してくらせない地域が広がっている北海道。ケアマネさんの「給料が安くても、介護の仕事が大好きで続けている仲間がいる。支えるために介護報酬の引き上げを」との必死のスピーチにグッときました。ムダな大型開発や米国からの戦闘機爆買いよりも、くらしを守る現場にこそ最優先に税金を!
冷たい風が強く吹く中でも、終了後のデモパレードには多くの方が集会からそのまま参加されました。シュプレヒコールの声も、ひときわ大きい。参加者一同で確認した「集会アピール」の「もう我慢できません!」との怒りが共有されていたと感じました。
生きることで精一杯なのは、あなたの責任ではなく政治の責任。さらに苦しめる安倍政権を、市民と野党の共闘で何としても少数に追い込もう。熱い思いを確認しあった1日でした。
【今日の句】人権が 何かを総理 知ってるか