切迫感が強まりました。観光客が少ない函館朝市、伝統芸能文化が途切れかねない「こぶし座」の現状--国が思いきった対策を!との声を大きくしなければと痛感しています。
明日告示になる知内町議選挙での応援に先立ち、函館市での新型コロナウイルス影響調査。道議選挙をたたかった本間かつみさんと訪れた朝市は、何度も足を運んでますが「これほどまでか」と私も感じるくらいの状況でした。休業や短縮営業で、働いてる方の姿も少ないのです。
ちょうど大手のドラッグ店舗が撤退を決めたばかりで片付けをしていたり、飲食店でも「ラーメンなら人が来なくても火をつけ続けてなければいけないからね」と経費や税・保険料負担への心配など、尽きないくらい話をうかがいました。この時ばかりは生け簀にいるカニが、捌かれないことが可哀想に思えてきたほどです。
朝市協同組合連合会では、この苦境を乗り越えるために緊急販売セールのようなことができないか検討中との話をうかがいました。「全員が当事者なんです」との言葉を聞き、今こそ国の出番だとの思いを強くしました。
函館ホテル旅館協同組合・湯の川温泉旅館協同組合から聞いた実態や要望も切実です。一昨年の胆振東部地震を受けて、観光業界は「ふっこう割」で一息つけたのかと思っていたら「その後は反動のため観光は伸びなかったんです」。そして日韓関係の悪化、消費税増税などもあって今回の新型コロナウイルスがトドメのようになってしまいかねないとの話を重く受け止めました。
資金繰りを急ぐとともに、消費喚起と業者の負担軽減を一緒に進めるなら消費税減税(ぜひともゼロに!)が必要ですねと私からも話しました。とりわけ中小零細企業にとっては税や保険料などの軽減・免除とともに、これこそ政治決断すべきだと確信しました。そこまで切迫しているんです。市民の台所である中島廉売でも実態を聞き、その思いを強めました。
中島町にある日本障害者・高齢者生活支援機構にも足を運びました。放課後等デイサービスは、どこでも経営の大変さが浮き彫りになるなかで国も100億円規模の支援をすることにしたようです。しかし現場には、その内容が通達として伝わっていません。まだこれからの課題になっているのです。
放課後等デイのほか就労継続支援B型や、障害重度の方の生活介護事業所も運営しているだけに、感染者が出ないようにとの苦労も大きい。仮に感染者が出た場合の指針や補償、そして今でも大変な経営支援などの具体化を急ぐべきだとも痛感しました。これまでも福祉分野は何かにつけ現場任せという状況がありましたが、ここはしっかり国が責任を果たすべきです。
経済的な打撃とともに、影響が甚大なのが文化団体です。イベント中止や公共施設が使用できないことで、まったく公演などができなくなってしまいました。設立55年を数える民族歌舞団「こぶし座」も、逼迫した状況にあります。
そうでなくても文化関連予算の削減、学校での鑑賞教室などの削減などがあり、苦労を強いられてきたなかでの新型コロナウイルス。融資といっても見通しをもてなければ、返せる目途が立ちません。何かあれば「日本の伝統」を口にする安倍首相ですが、このような文化面に対しては気にかけていないかのようです。
党の行事で何度か「こぶし座」の舞台を見ましたが、伝統に根ざしながら現代に生きる創造をと取り組まれている息吹が、ひしひしと伝わってくるのです。映像でなく観客と一体につくる、という姿勢が伝わってくるのです。特別に聞かせてもらったトンコリも、その場で聞くからこそ時間を忘れ、聞き入ってしまうほどでした。
新型コロナウイルスそのものの不安に加え、緊急事態宣言や学校一斉休校などによる影響の広がりは、足を運ぶにつれて「これほどまでか」と認識を新たにするほどです。こぶしの花が咲くまでには見通しが持てるように、しっかり国や道・市町村に反映させるべく力を尽くそうと決意も新たにしました。
【今日の句】消費税 やっぱり負担 重すぎる