日曜美術館(Eテレ)「アイヌ文様の秘密」が再放送されていて、文様の無限性や神々の物語などを興味深く見ました。放送の主題ではないでしょうが、あらためてアイヌ民族が受けた歴史を直視することも心に留めました。
さて先日、自民党も含めてアイヌ施策推進法が成立したのに、道見泰憲道議(自民党)が「アイヌの人々を甘やかしているのは国であり道」と発言しました。あまりに不適切どころか無責任です。訂正の意向を示しているそうですが、歴史認識に欠けているのではないかと疑います。
不十分がありながらもアイヌ施策推進法では、アイヌを先住民族と明記しました。しかし歴史を振り返れば、言葉や文化を奪われ同化を強いられてきたことは間違いありません。民族にとっての侮辱であり、深い悲しみを与える発言です。しっかり反省の言葉を発せられるべきです。
平取アイヌ協会の木村二三夫副会長が書かれた手記で「過去に目を閉じる者に未来はない」と記されてあります。アイヌのなかに利権を悪用する人もいると木村氏は触れつつも、サイレント・アイヌや女性アイヌなど声に出せない声もあるという現実。それを政治の側が抑え込むような発言をするのは、やっぱり不適切そのものです。
写真は平取町・二風谷を、今年6月に訪れたときのもの。二風谷地域はダムとして埋め立てられることに反対の声が湧き起こりましたが、国策によってアイヌの方々も翻弄(ほんろう)され続けたことが、現地に行ってあらためてわかりました。国際水準から見ても、あまりに低水準のアイヌ施策。私も力を尽くさねばと、木村さんの言葉を目にして痛切に感じました。
【今日の句】そうやって 自己責任が 振りまかれ