まったく現場を無視か

 定時制高校の先生が力を込めて「私は本当に怒っています」。「1年単位の変形労働時間制」導入するなと朝から抗議の宣伝に、私も駆けつけました。今日の道議会文教委員会で採決されましたが、この制度のことが議員や現場教職員に、どれだけ理解されているのでしょう。急ぐべきはコロナ対応こそ、少人数学級や教職員増員こそ!です。

 「先生の働き方は過酷そのもの。過労死した同僚もいます」「現場の意向だとごまかした調査結果まで出して採決するとは許されない」など、道高教組・道教組の先生たちからリアルな訴えが続きました。私が中学校教員をしていた20年以上前から見ても、全国学力テストへの対応が増え、教員への評価や書類が増え、免許更新のための研修が増え、授業時数も増え、今年はコロナ対応も増えました。でも教職員は増えていません。教員への業務ばかりが増してきた20年なのです。

 今回の変形労働制は、夏休みなどに休暇をまとめ取りして、平日の労働時間を伸ばそうというもの。今でさえ残業代も出ない超過勤務の不当な現実を、合法化してしまうことになります。そもそもで言えば8時間労働制を壊すもので、民間でも労働者側との合意が必要とされているのに、学校での周知や議論・納得もないまま道教委が全国に先駆けて条例提案したのです。この経過だけ見ても、本当に許されない。

 学校の1学期は、新しいクラスで教員も子どもたちも緊張するし、学校行事も多く、学級運営がスムーズにいくまでにエネルギーが必要になります。体調悪化や過労死となる教職員が多いのは1学期とも聞きました。まとめ取りする前に2~3ヵ月も働き続ければ、体も心も持たなくなってしまうのは当たり前のこと。そもそも夏休みや冬休みだって、部活指導や進路指導に研修と休める状況にはありません。

 札幌市教職員組合(札教組)の松尾秀一書記長との懇談でも、こんなコロナ禍で大変な時に条例提案する道教委はおかしいとの話となりました。政令市である札幌市は、道とは別に市議会での議決が必要になります。まだ市教委から提案の動きはないのですが、「そもそも前提が成り立っていないうえで導入はできないはず」と札教組では訴えてきたそうです。

 「前提」とは「客観的な勤務時間管理の徹底」などを指し、要は今でさえ長時間勤務はされていない状況のこと。長時間勤務があるもとで変形労働制となれば、超・長時間勤務になってしまうからです。だから道教委も「アクション・プラン」なる対策をおこなってきましたが、北教組アンケートの結果を見ても解消されていません。授業時数の見直しや教職員増員などに踏み込まなければ、もはや解決しないのです。「今こそ教育内容の精査が必要ですね」と、松尾書記長さんとも一致した話になりました。

 まだまだ教職員には知らされていませんが、知らせていけば現場から跳ね返す力になっていきます。くりかえし私からも発信していきたい。

 発信という点では、医療支援を国が急ぐべきことも、何度でも訴えていかねば。今日は道民医連から紙智子議員あての、赤字分の減収補てんや医療従事者等のPCR検査を国の負担で進めることなどの緊急要請をいただきました。今日の「しんぶん赤旗」や北海道新聞で報じられた、道医労連の緊急アンケート結果もいただきました。

 看護師の約7割が精神的に「つらい」状況にあるとし、自由回答の1つ1つも本当に重さが伝わってきます。「陽性患者と接した後に家族と会うのが重い」との記述には胸が痛みました。使命感をもって病院でがんばる姿勢に、政治が本気で応えているのだろうかと腹立たしくもなります。加えて「こんな時に、後期高齢者医療の2割負担を話し合ってること自体が信じられない」と批判の声も聞きました。心から同感です。

 菅首相からも、政権全体からも、医療を本気で守る姿勢もメッセージも見られません。感染拡大防止に国民への努力を求めることばかりで、政治が医療を守る努力は見えません。それがアンケートの端々から伝わってきます。まとめたメモを紙議員へ送りましたが、私自身も国会で苦境の声を反映しなければ。今こそ命を守るために本気でがんばる政治が必要です。

 【今日の句】負担だけ 増す政治など 終わらせる

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畠山和也
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