感染拡大防止へ GoTo 停止は当然にせよ、観光業・飲食業への支援がなくては--道内有数の観光地・洞爺湖町や、農林漁業を基幹産業とする伊達市・豊浦町へ。まさかの風雪にも見舞われましたが、それ以上の切迫さに危機感が募りました。
伊達市ではJAへ。色とりどりの野菜がプリントされた「伊達野菜」のポスターが目に引く、多品種栽培産地であるのが伊達市です。本州での豊作があって価格が下落している影響は、これからかなと心配の声。観光・宿泊のキャンセルが広がることで、食材が流通していかないことも不安要因です。「大企業もないなか第一次産業が基幹産業の町です。農家だけでなく、支えてくれる町全体が持続的に生きられるように」と松本喬一副組合長さん。
収入保険やスマート農業なども話題になるなか、「農家は順序よくリタイアとはなりません。高齢でも農業を続けている方もいるなか、政策の支援がなければ『もうここまで』と思う農家も一気に出てしまいます」との現状や、「最低限の食料自給率というものを、コロナのもとで、あらためて考える時ではないでしょうか」との問題提起を重く受け止めたい。歯止めなく食料輸入は見直すべきです。
洞爺湖町では温泉観光協会の大西英生会長、洞爺観光ホテルの三浦和則社長らとの懇談。GoTo により観光客が増えて助かった実態はあります。国の補助事業を使って、冬も湖上での花火打ち上げを開催すると具体化してきました。ところが年末年始のかき入れ時での GoTo 停止が発表されて「ほとんど宿泊がキャンセルになるかも」と心配の声があがっています。春先の融資だけでなく有珠山噴火での既往債務もあるだけに、さらなる融資を受けることは苦しい実態をうかがいました。
特に心に残ったのが「働く仲間を守りたい」ということでした。「一番の話題は雇用調整助成金。感染の初期は金額も低くて、その時にやめた仲間もいました。その後に金額が増えて、それを早く決断してくれればやめないで済んだのに、と思ったのです」「失業給付を受けてもらうことは最後の手段。何より町に他の仕事もないのに、仲間を切るようなことはできません」などの話に、2月末までとした特例延長は5月の連休や6月まで再延長すると、早く政治決断すべきだと痛感しました。
今後の GoTo の見直し方についても議論になりました。土曜日に観光客が片寄るなかで平日とのバランスを取れる割引率や、期間が終われば一気に割引ゼロにするのでなく段階的に減らしていくなかで持続的な経営支援につながるようにすることなどを聞くなかで、制度設計のちぐはぐさに現場が振り回されてきた実態がわかりました。
洞爺湖町商工会では鈴木雅善会長からの「町のことを知っている地方自治体が使えるお金を増やして、支援しやすくすることに尽きます」との言葉を、わが意を得たりの思いで聞きました。町では観光用商品券も発行し、それが地域にも循環しています。一時的なカンフル剤であっても、日銭を必要とする商店には大事な施策です。雇用調整助成金特例の延長については、鈴木会長からも要望がありました。
観光客の平均消費単価に減少分を掛けると、今年は60億円近い損失と計算されるとのこと。関連業者や「道の駅」などの売り上げ減少も合わせれば、町の一般会計73億円をも超えかねません。観光を主としている町にとってこれだけの打撃は大きく、「このままの状況が続くようなら、継続か廃業かと迷っている経営者も多い」との実態を重く受け止めねば。コロナが終息しても、立ち直れないところまで業者が落ち込んでしまえば回復できなくなります。
豊浦町・村井洋一町長からは、主力産業の1つであるホタテ養殖の現状をうかがいました。噴火湾では原因不明のホタテへい死が3年ほど続き、そこに世界的なコロナ禍で輸出も止まり価格安が襲いかかるという苦難に漁師は見舞われています。各地で持続化給付金の申請も広がりましたが、「へい死が続くようでは、若い漁師も『このまま続けられるか』と考えてしまう」と村井町長からも心配の声が聞かれました。
海水温が表面だけでなく、ホタテが耳吊りされる下段まで温度が変わらなくなっているともいいます。10~20m下まで海水温が上がったことを示すものです。気候変動の影響がホタテ養殖にも影響を与えているのかはわかりません。だから研究が必要ですが、海流などを調べる計測用ブイの設置が遅れているとの話もうかがい、国会を通して確認することも約束しました。村井町長とは新幹線トンネル残土やバイオガスプラントについても意見交換しました。
切迫した状況が各地に広がっていることを実感した1日でした。しっかり反映していきたい。懇談には吉野英雄伊達市議、立野広志洞爺湖町義、山田秀人豊浦町義が同行してくださいました。街頭宣伝にも党員・後援会員さんが足を運んでくださり、本当にありがたかったです。
【今日の句】忘年会 してる場合じゃ ない総理