第943号 PCRを阻むものとは

 新型コロナウイルス感染拡大は止まらず、23日には1日の感染者数が約1000人になりました。西村コロナ対策担当大臣は、15日の私の国会質問に対して、感染の「大きな流行」は収束させたと言い張り、Go To トラベルキャンペーンを一部でスタートさせてしまいましたが、もはやそのような状況ではないのが明らかです。

◆足りなかった検査
 コロナ感染者増加と深い関係を持つのが、感染を判断するためのPCR検査体制です。感染者数が激増しているのは、PCR検査数が増えたためであるという説明がしばしばなされています。しかし、これは裏を返せば今まで検査を十分に行って来なかった事実を自ら示す言い訳に過ぎません。

 3月、4月のコロナ感染拡大初期に、厚労省は、風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続いている場合を目安に、帰国者・接触者相談センターに相談するように要請する、いわゆる「4日間ルール」を示していました。検査を抑制して医療崩壊を防ごうとする意図があったとされますが、これにより、保健所に検査を断られ、結果として治療が遅れる患者が続出する事態となりました。私も国会質問で、4日間ルールの見直しを総理に問いましたが、検査の増加は遅々たるものでした。

 検査体制を十分に整えず、徹底した感染者の発見と治療を行わなかった政策の失敗が、今の感染再拡大の大きな原因となっています。

◆国家優先検査体制の背景
 現状、PCR検査は増えていますが、感染再拡大により検査を望む方の需要に追い付かない状況が生じつつあります。このまま感染拡大が続けば、またもや検査を断られるケースが続出する事態が危惧されます。

 PCR検査体制の不備について、専門家にお話を伺う機会がありました。その中に「日本の公衆衛生の主体は患者ではなく国家という考え方が根強い」という興味深い話がありました。その背景には、現在公衆衛生を担う国立感染研究所と保健所は、ともに戦前の旧日本軍関連の、軍医学校や徴兵検査を担った機関が基になっており、国家の都合を優先する発想が残っているとのご指摘がありました。そのため、民間の検査体制充実もなかなか進まないのではないかという見解をお持ちでした。

 患者を軽視し、民間の検査体制の充実を阻む構造的問題が国の組織と利権にあるならば、大きな問題です。

◆安易な入国者増には反対
 さらに、検査体制の不足は、海外からの入国者に対する空港でのコロナ検査でも問題となります。今、中国や韓国など10数か国との間で、ビジネス目的を中心に、入国者を増やしていく交渉が進められています。加藤厚生労働大臣は、今後、入国者数の増加に伴い、入国者の検査体制を9月までに1日1万人にまで増強するとしていますが、最大2000人程度で推移してきた検査能力の大幅拡大の実現性には疑問があります。検査体制の確立を待たずに、入国者数を安易に増やす合意をすべきではありません。これにも、国家の都合を国民の健康に優先させる発想が垣間見えます。

 コロナを根絶することは困難でも、感染の有無を判断して、感染者に適切な治療と接触回避をしてもらうことによって、大流行は避けられます。検査不足の背景の闇をも追及しながら、検査体制の充実を今後も訴えて参ります。

 

スタッフ日記 「新しいスポーツ」

 コロナウイルスの感染が広がる中、8月の連休やお盆休みのお出かけも止めておこうかな、と考えておられる方も多いと思います。

 家での過ごし方は、読書や映画鑑賞、ペットと遊ぶなど色々あると思いますが、新しいスポーツとして、e-スポーツに熱中するというのはいかがでしょうか?

 e-スポーツは、オンラインで世界中の参加者と競い合う次世代型スポーツで、エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)の略称です。野球、サッカー、ゴルフに格闘技と、あらゆるスポーツを網羅しています。世界中で大会が行われ、優勝者には1億円以上の賞金が出る大会もあり、今やプロのプレイヤーも珍しくありません。

 中高生の部活でも、e-スポーツ部が増えており、部員は大真面目に日々練習と研究に明け暮れているようです。「遊びではないの?」という声もあるようですが、もともとスポーツは娯楽として楽しむもの。頭と反射神経をフル回転させて楽しめるe-スポーツは、れっきとしたスポーツだと思います。そして、体が決して強くない方やお年寄りも、性別や世代を超えて一緒になって楽しめるe-スポーツは、スポーツの新しい形だと思います。

 反射神経が必要なスポーツはちょっと、という方は、文化系のオンライン対戦を楽しまれてはいかがでしょうか?将棋や囲碁、マージャンなどもネット対戦は充実しており、家にいながらマスクも密空間もなしに、全国の強豪と競えます。対戦相手とネット上で親しくなり、コロナ収束後に実際に会って対局する、なんていう楽しみも考えられますね。(アタリ)

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馬淵澄夫
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