11月2日の新型コロナウイルス感染者は、東京500人、大阪427人、兵庫123人、愛知219人、北海176人、神奈川214人、埼玉150人など、全国で感染が再拡大している。重症者が増え、医療資源が不足する事態も懸念されている。 GoToトラベルを利用した観光客が大勢各地に繰り出し、医療関係者からは危惧する声が高まり、北海道、は札幌市を、大阪府は大阪市をキャンペーンの対象から一時除外した。東京都は、高齢者と基礎疾患のある者を除外する。 GoToイートのキャンペーンについては、飲食の際にはマスクを外さざるをえないので、当然感染拡大のリスクは高まる。欧米などで、感染が再拡大した原因の一つが、喋りながらの長時間にわたる会食である。とくに、アルコール飲料が入ると、この傾向が強まる。菅首相の勧める「静かなマスク会食」は、あまり現実的ではない。 年初の感染拡大以来、政府は様々な対策を講じてきたが、春節における中国人観光客の足止め、ヨーロッパからの渡航制限、緊急事態宣言など、いずれも手を打つのが遅すぎた。経済への配慮からであるが、それがかえって感染を拡大させ、より大きな被害を経済に与えるという繰り返しであった。 安倍首相から菅首相にトップは代わったが、自民党一強の長期政権は続いており、官僚の忖度は変わらないし、政府が召集する専門家集団も基本的には「御用学者」の域を出ない。 政府に批判的な専門家も入った複数のチームを作り、あらゆる角度から情勢を分析させるという姿勢が今でもない。 対策を困難にしている最大の要因は、無症状者が感染させるという新型コロナウイルスの特性にある。続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』