千葉県の宿泊税の導入について

我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。

 

本日の一般質問が終わり、各部署と委員会質疑に向けてじっくりと協議に入っています。

千葉県議会は明日で一般質問が終わりとなります。

私は明日の本会議終了後も総務防災常任委員会、代表者会議と続きます。

 

今議会では「宿泊税」が大きな議論となっています。

先週の自民党の代表質問でのやり取りにて、熊谷知事が宿泊税を導入する方針を正式表明したもので、各会派及び各議員から連日、あらゆる角度で様々な質疑が行われております。

 

 

 

千葉県は、県内市町村や宿泊事業者に向けた説明会を行い、「宿泊税を導入することについてはおおむねご理解いただけた」という主旨の答弁が熊谷知事からありましたが、我が会派のもとには時期尚早であるというご意見をはじめ慎重論も宿泊業者から届いているところであり、今後、具体的な内容については大いに検討が必要であると感じています。

 

現状の素案では以下のようになっています。

 

 

事業規模は45億円であり、その財源は千葉県の観光振興のためとしておりますが、観光振興に限定することや自治体間で差が生じること、制度設計について様々な質疑が行われています。

<素案>

●一人一泊につき150円の一律定額制

●免税点無し

●課税免除は外国大使館等の任務遂行に伴う宿泊のみ

 

ちなみに既に宿泊税を導入している自治体の状況は以下の通りです。

 

 

免税点を設定していたり、修学旅行を課税免除にしていたり、実に様々な配慮がなされております。

 

また、税導入後の使途については以下が想定されています。

 

 

観光政策を主としていない基礎自治体の宿泊業者からは、宿泊者の目的は9割以上がビジネスであり、その財源が観光振興にのみ使われることや、ビジネスで連泊する方が千葉県以外の宿泊施設を利用することに繋がることなど、様々な懸念事項をうかがっております。

ひとつひとつ丁寧にそれらの懸念を解消していく必要があると考えます。

 

逆に、本日の浦安市選出の折本県議の質問では、千葉県の観光客の約4割が東京ディズニーリゾートがある浦安市であることなどから、宿泊税の配分について不公平が生じることなどの指摘がありました。

また、浦安市のようにオーバーツーリズムの自治体は市独自での導入を考えていましたし、南房総市も独自導入を模索している中で、県の宿泊税にさらに市での上乗せは難しいという主旨の発言をしています。

 

 

市独自で導入すればその税収はその市で使えますが、県で導入すると、県の観光振興に総合的に使われることになります。そのため、オーバーツーリズムの自治体や観光に力を入れている自治体がそれぞれ独自で導入すれば良いのではないか、という議論も起きています。

 

こういった様々な背景や事情をヒアリングしてきた我が会派「千葉新政策議員団」としては、今議会の代表質問にて以下の要望を行いました。

 

『宿泊税が導入された場合、その税収を活用して、県全体での観光誘客促進やDX推進が行われる予定とされています。しかし、宿泊税については賛否両論あり、一律に課税されることへの反対意見もあります。

 

特に、地域によって宿泊の目的が異なり、観光よりビジネス利用が多い地域では、観光振興を目的とした宿泊税に疑問を持つ声が上がっています。そのため、各地域の声を真摯に聞きながら、観光業、また宿泊産業全体の成長を支援していくことが重要だと考えます。

 

また、観光客の増加に伴い、全国的には住民との摩擦や生活環境の悪化といった課題も生じています。こうした問題に対応し、観光業を持続的に成長させるためには、宿泊税などの収入を地域全体に還元する仕組みが必要だと考えます。

 

観光業に直接関わらない住民の方々にもメリットを感じてもらえるよう、インフラ整備や公共サービスの充実、地域振興策を推進すべきだと思います。

 

こうした取り組みにより、地域全体が観光業の恩恵を享受できる持続可能な観光政策を実現していただきますよう要望いたします。』

 

今後、県は意見交換の場を設定するということでしたが、私たちの会派は県民の皆様が納得がいく結果となるように、偏った税金の使い道とならないように行政と政策協議を続け、所属委員会においても手続きなどについて、改めて質疑や要望を行っていきたいと思います。