【千葉県】緊急事態宣言延長に伴い国へ要望

千葉県議会議員の水野ゆうきです。

千葉県では本日(5月9日)、新型コロナウイルス感染症により、39人目の死亡が発表されました。

心よりお悔やみ申し上げます。

また、1名の方が新たに新型コロナウイルス感染症と診断され、診断した医療機関から発生届出がありました。
県内では、これまでに感染者が877例(うち患者777 名、無症状
病原体保有者100名)確認されています。

 

5月4日の緊急事態宣言の延長に伴い、千葉県では、引き続き医療提供体制の確保に努めるとともに、新型コロナウイルス感染症によって大きな影響を受けている中小企業の再建支援などに積極的に取り組む必要があることから、地域の実情に応じた取組が円滑・効果的に進められるよう、千葉県は国に対して、次の事項について支援等を要望しました。

 

① 財源の確保

1.新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金及び新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金について

 

〇 緊急事態宣言の対象区域が全国へ拡大され、更に5月末日まで延長されたことに伴い、医療提供体制の確保はもちろん、新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受けた中小企業の再建支援などを含めた経済活性化などに多額の費用を要することから、両交付金の総額を大幅に増額すること。
○ 「新型コロナウイルス感染症対策予備費」の1兆5千億円については、緊急包括支援交付金に限らず地方創生臨時交付金の増額のためにも活用するなど、地方公共団体が行う対策の財源とすること。
○ 配分に当たっては、感染者数の状況を考慮し、特に4月7日に緊急事態宣言の対象となった7都府県に重点配分すること。
○ 国難とも言えるこの状況下において、地方が躊躇なく医療提供体制の確保等に取り組めるよう、緊急包括支援交付金は、以下のとおり配慮すること。
・地方単独事業について、1/2の充当ではなく、100%充当とすること。
・地域によって取り組むべき対策は多様であることから、事業メニューを限定しないこと。また、単価の上限額等を設定しないこと。

② 医療提供体制の確保

2 医療機関や医療従事者に対する財政支援の充実

千葉県では、新型コロナウイルス感染者数は全国第6位と感染が広がっている中、医療機関においては院内感染対策に多額の経費を投じているほか、他の患者への感染防止のため通常疾患の外来・入院を抑えていること等により、経営が圧迫されている。
このため、国においては、医療機関がおかれている財政運営における厳しい状況、新型コロナウイルス感染症に対する献身的な取組を御理解の上、感染症対策に伴う減収に対し、医療機関の収益確保につながるよう診療報酬の見直しなどを講じること。
また、新型コロナウイルス感染が拡大する中、医療従事者は院内感染を生じさせないよう、最新の注意を払って献身的に業務に従事している。
このため、国難ともいわれる今般の状況において、自らの危険を顧みずに業務に従事している医療従事者への危険手当等を制度化すること。

3 医療機関や社会福祉施設、県民、行政機関等へのマスク等の個人防護具、消毒液の安定供給体制の確保

感染拡大を防止するため、個人防護具・消毒液については、必要なところへ必要な量を供給する必要がある。
国においては、医療機関等への優先供給や、県が購入する費用への財政支援を行っていただいているところであるが、医療機関、社会福祉施設、行政機関、また県民や事業者が必要な量を購入できるだけの流通量が不足している状況にある。
このため、製造元から販売先まで、十分な量の個人防護具・消毒液が流通し、安定的に供給される体制の確保を国が主導して行うこと。

4 PCR検査体制の維持・充実

令和2年4月6日の第26回新型コロナウイルス感染症対策本部において、首相は、感染拡大の防止に向けて、PCR検査体制の一日2万件への倍増や保健所の体制強化による、クラスター対策の抜本的な強化を述べた。
本県では地方衛生研究所(県衛生研究所)以外に政令・中核市保健所、県保健所でのPCR検査体制を確立するとともに、その他医療機関における検査実施やドライブスルー方式の導入などを進めている。
しかしながら、感染が疑われる方が速やかにPCR検査を受けることできるよう、検査体制を強化している中、現在、PCR検査に必要なPCR検査試薬、抽出キット等について、流通がスムーズに行われていない事例がある。
このため、国においては、PCR検査に遅延等の影響が出ないよう、PCR検査に必要な試薬、物品等の安定供給を確保すること。

③ 地域経済・県民生活への影響緩和

5 中小企業への財政支援の充実

緊急事態宣言が5月末まで延長されたことにより、地域経済を支える中小企業においては、事業継続が一層困難となっている。
本県は、近隣都県の休業や外出自粛の要請等による影響も大きく受けるとともに、固定費である家賃等も全国的に見ると高額であることなどから、「持続化給付金」の拡充や、家賃等の固定費に対する支援などの経済対策について、地域の実情を考慮した上で、早急に行うこと。

6 雇用調整助成金にかかる手続きの迅速化及び相談体制の強化

雇用調整助成金について、企業を取り巻く経営環境の更なる悪化により、相談・申請件数が増加する中、国の相談窓口や電話相談が極めて混雑している状況があり、また、更に申請書類が多岐にわたり、作成が難しいことから、速やかな支給に向けて、申請手続の更なる簡素化と支給手続の迅速化を図るとともに、相談窓口体制の強化に取り組むこと。

7 臨時休校長期化に係る教育水準の確保

長期化している休校により、学校再開後の授業だけでは学習指導要領等で定められた指導内容を履修する十分な機会を提供することが困難な状況にあるため、教育課程の弾力的な運用について、国としての指針を早期に示すこと。
併せて、職業教科等(看護、福祉、水産等)における実習期間短縮などの資格取得要件の緩和について関係省庁と協議し、早急に方針を示すこと。

8 職業能力開発校の柔軟な対応

職業能力開発校においては、休校期間の長期化により、省令で定められている「訓練基準」上の訓練時間数の確保が難しい状況となっていることから、通信の方法による学科訓練も認めるなど柔軟に対応すること。

9 家計急変により収入が減少した児童・生徒のいる世帯への支援

奨学のための給付金、授業料の免除、特別支援教育就学奨励費、就学援助制度等について、支給額の増額や所得要件の緩和など制度の充実を図るとともに、今般の特殊性に鑑み、必要な財源については、国において全額を確実に措置すること。

10 鉄道・バス等の地方公共交通事業者への支援

従前から人口減少・少子化等により厳しい経営環境にある地方の公共交通事業者は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う運輸収入の大幅な減少により、運転資金の枯渇が懸念されるなど、存続が危ぶまれる状況となっている。
このため、緊急事態宣言により外出自粛が要請される中にあっても、県民生活及び県民経済への影響が最小となるよう運行を継続している地方の公共交通事業者に対し、事業継続が可能となるよう、国としての支援を速やかに行うこと。
また、新型コロナウイルス感染症の収束後における地方の公共交通の利用需要喚起に取り組むこと。

11 成田空港等への支援

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、成田空港では、国際線の出国旅客数が4月の速報値で約98%減となるなど、多大な影響を受けている。
成田空港は、我が国の経済発展のための欠かすことのできない施設であるとともに、本県の経済発展を図るための重要な核であることから、新型コロナウイルス感染症収束後の成田空港の役割をしっかりと見据え、空港会社、航空関連事業者への支援に取り組むこと。
また、成田空港の更なる機能強化が、地域の環境対策や地域づくりとともに、遅れることなく着実に進むよう、空港会社としっかりと取り組むこと。