こんばんは、我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。
本日は千葉県環境審議会水環境部会に審議会委員として出席いたしました。
※千葉市文化センターで審議会が行われました。
審議会委員の1枠は千葉県議会議員枠でして、県議会から私を選出していただいております。
本日は印旛沼及び手賀沼に係る湖沼水質保全計画第8期の骨子案について審議を行いました。
地元の方々はご承知の通り、手賀沼の環境保全は私の議員活動におけるライフワークでもあり、県議会議員として、審議会委員として、手賀沼水環境保全協議会顧問として、また地元住民として携われる機会に恵まれていることに感謝いたします。
湖沼水質保全特別措置法により、湖沼水質保全計画を定めなければならないこととなっており、千葉県では印旛沼と手賀沼が指定湖沼に指定されており、7期35年(5年毎)にわたり湖沼水質保全計画を策定しています。
現在は第7期(平成28年度から令和2年度まで)でして、第7期計画においては面源系(市街地・農地)対策による流入負荷の削減、生活排水対策による全窒素・全りんの流入負荷の削減、水質改善のための効果的対策の検討等に資する調査研究の推進等に取り組んできました。
しかしながら、以下の表のように達成状況は芳しくなく、これまでの調査研究で解明した内容を第8期にはもっと具体的に明記し、課題解決に向けて取り組む必要があります。
これまで、私も千葉県議会の代表質問、一般質問、予算委員会等で質疑を行ってきた水質汚濁メカニズムの解明等を活用しながら有効な水質浄化対策につなげていけるようにしていかなくてはなりません。
印旛沼についてはCODの高止まりは春と冬の珪藻の増加が一因ということがわかり、手賀沼については流下するにつれて植物プランクトンが増加し、懸濁態CODが上昇していることがわかりましたので、内部生産を抑制する対策の検討が必要とされました。今後は精度向上した水質シミュレーション・モデルを用いて植物プランクトンの増殖抑制策を検討していきます。
第8期には新たな取り組みとしてまさに「グリーンインフラ」(※昨日、知事と懇談)の活用が有効ということで盛り込まれ、さらには外来水生植物(ナガエツルノゲイトウやオオバナミズキンバイ等)の計画的駆除も明記されました。
私が何度も県議会で取り上げてきた両項目がしっかりと反映されていました。
※先月行った外来水生植物の駆除作業の視察模様
手賀沼における外来水生植物の駆除実績(令和2年度駆除面積9,898㎡)では、窒素約866kg及びりん約411㎏が除去されたと試算されました。
植物プランクトンの栄養となる窒素やりんの一層の削減が不可欠なわけですが、栄養塩類を吸収した水生植物の刈り取りによって水質浄化を図ることができます。
近年は外来水生植物の大量繁茂など、底層溶存酸素量の低下に繋がりかねない状況となっていることから(外来水生植物の群落内部の溶存酸素量は群落外部の約10分の1)、底層溶存酸素量のモニタリングも重要となってきます。
底層溶存酸素量の低下は水生生物の生息を困難にさせるのみならず、底層から栄養塩類を溶出させるなどの影響が大きいと考えられています。
また、谷津で水質浄化能力を調査した結果、面源負荷対策に有効とされたことから、グリーンインフラのもつ多面的な機能を活かした気候変動への適応策を検討していきますので、この動きがあらゆる分野・場面で広がることを期待する次第です。
部会長もご挨拶にて仰っておりましたが、現在の水質というのは近代文明人の結果であり、新型コロナウイルス感染症でも問われているように、社会がこのままで良いのか、ということが我々に突き付けられています。
また、従来の視点を変えていくことの必要性もお話しされておりました。
まさに、グリーンインフラの概念は自然を利活用しながら様々な課題を解決していくという、これからの時代にマッチした手法であると考えます。
あらゆる立場で、研究と現場をつなぎながら最良の環境保全に取り組んでいきたいと思います。