ネットという「悪意の大海」で、誹謗中傷からそれでも生き残っていくために

こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

本日は、(おそらく)ネットの誹謗中傷によって命を絶ってしまった女性タレントさんが大きな話題になっており、それ自体も本当に痛ましいものの、さらにそれに対するSNS上の反応を見てさらにグッタリしてしまいました…。

本当に殺伐としているよなあ…と。

誰もがボタン一つで自分の意見が表明できるようになったデジタル時代。

残念ながらそれはプラスの側面だけではなく、容易に人の「悪意」に触れられるようになったということでもあります。

以前であれば、テレビに出るタレントなども一握りでしたし、ある程度は所属事務所などから教育やサポートも受け、耐性と覚悟をもった上でプロメディアに「叩かれる」ことが普通だったのだと思います(それでも事件は時に起きた)。

しかし今や、オウンドメディアやチャネルの多角化によって、アマチュアでもあっという間に有名人になれる時代。

過度な批判や誹謗中傷に耐性のない彼らに、これまたプロではない人達による「匿名の暴力」が襲いかかれば、容易に最悪の結果を招く可能性があることが、また一つ悲劇によって証明されてしまったのかもしれません。

ネット上の誹謗中傷問題は、「表現の自由」とも密接に関わる問題であり、一朝一夕には解決できない悩ましいテーマであることは確かです。

私は法規制をさらに重ねることには慎重である反面、脅迫罪や名誉毀損で訴えるにしても、被害者側が情報開示をするハードルや費用が高すぎるので、ここについては何らかの方法で是正すべきだと思います。

これが残念ながら今の現実ですが、発言や表現は自由であっても、そこには責任が伴うのが筋のはずです。

こうした公的資金とある種の市場原理を組み合わせたサポートの仕組みというのも、真剣に検討する時期にきているのかもしれません。

あるいは「保険」の仕組みを使って、普段から少額の保険料を払い、いざ訴訟する時に保険金がおりるような仕組みは…採算を取るのが難しいかなあ。。

いずれにしても、現時点ではネットの誹謗中傷を防ぐ仕組みが脆弱である以上、「自衛」の手段を講じていく他はありません。

私もよく「どうやったらそんなに誹謗中傷に耐えられるようになるんですか?慣れるんですか?」などと聞かれてますが、どんなに「炎上」を繰り返しても慣れたり鍛えられたりすることはありません

傍からみれば百戦錬磨の猛者であっても、ある程度は傷つき、それでも折り合いをつけながらやっています。

だからこそ、不慣れな人が大怪我をしないためには「見ない」「その場から離れる」というのが最適解です。それも難しいことはわかりますが、とにかくTwitterであれば「ミュート」を上手く活用してほしいと思います。

参考過去記事:
政治家・議員はいわゆる「クソリプ」にどのように向き合うべきか問題

https://otokitashun.com/blog/daily/18484/

とりわけブロックしたこと自体がまた批判の対象になる政治家や著名人は、ミュート対応は超絶に重要なスキルです。

そしてネットの書き込みに思い悩む多くの人に、数ヶ月前に自分で書いたブログ記事のコピペですが、改めてこの内容を送りたいと思います。

炎上騒ぎでいつも私が思い出すのは、尊敬するアーティストである大槻ケンヂさんのことです。

筋肉少女帯を率いていたオーケンこと大槻ケンヂ氏は、ある時期、ネットのネガティブな書き込みに完全に病んでしまい、バンドを解散させることを決意してしまいます。

しかし後年に書いたエッセイでその時のことを振り返り、「今であれば『ま、ネットですから』と聞き流せたことだが、当時はそういうことができなかったのである(要旨)」と総括していました。

ほんと、そういうことなんだと思いますよ。

情報発信に向き合えば向き合うほど、本気で書き込めば書き込むほど、その反響がすべてに思えて悩んでしまうかもしれないけれど。

結局のところ、リアルの世界で何をなしたか・何をなしたいのかも重要だし、Twitterから離れてインスタを覗けば同じネットでも平和な世界が広がっているし、視野を広げてみると炎上なんて線香花火だったりするものなのであります。

私はそんな憎悪がうずまくネットの世界で生きていくと決めた人間です。恐ろしい反面、この自由な空間だからこそ出来たこと・出来ることも沢山あります。

どうにもならない精神状態に陥ってしまったら、早まる前に連絡を下さい。

少しばかり人より多い炎上経験から、折り合い方やごまかし方をお伝えし、一緒に悩み、そして耐えたいと思います。

そしてそんな殺伐とした世の中を少しでも制度や仕組みで変えていけるよう、政治家として力を尽くしていく所存です。

それでは、また明日。

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おときた駿
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