死傷事故につながる自転車の違反

自転車は道路交通法では軽車両と同じ扱いであるため、道路交通法違反をした場合には罰金や罰則・科料などの責任が問われることがある。運転免許の必要もなく、誰もが気軽に乗れる乗り物だが、道路上での責任は自動車と同様だ。

また、自転車はひとたび事故を起こすと、重大な事態を引き起こす可能性がある。自転車乗車中の違反別死傷者数を見ると、自転車乗車中の違反が死傷事故につながることがわかる。

■ 自転車乗車中の違反別死傷者数(令和3年:名古屋市)
安全不確認 856人
動静不注視 365人
一次不停止 110人
信号無視  31人
その他違反 195人
違反なし  808人
合 計  2,365人

また、死傷者数(人口1万人当たり)が多いのは中区。一方、名東区の方は自転車乗車中の死傷者は市内でもダントツに少ない。

■ 自転車乗用中の交通事故死傷者数(令和3年:人口1万人当たり)
1. 中区 19.84人
2. 中村区 13.68人
3. 東区 12.10人
4. 港区 11.48人
5. 中川区 11.19人
6. 熱田区 10.34人
7. 南区 10.25人
8. 西区 10.04人
9. 昭和区 9.96人
10. 天白区 9.74人
11. 千種区 9.53人
12. 北区 9.18人
13. 瑞穂区 8.62人
14. 守山区 8.58人
15. 緑区 8.23人
16. 名東区 5.63人

さて、自転車乗車中の事故によって相手方を死傷させた場合は、刑事上の責任と民事上の責任の2つが発生することがある。
〇 刑法上の責任
自転車運転者が交通ルールを破るなどして必要な注意を怠り、相手を死傷させた場合は、自転車運転者に重大な過失があったとして「重過失致死傷罪(刑法211条)」が成立することがある。この際の罰則は5年以下の懲役か禁錮、または100万円以下の罰金。特に歩道上の事故は、自転車運転者に全面的な過失が認められてしまう場合が多い。

〇 民事上の責任
自転車運転者が相手方を死傷させた場合、被害者に対し不法行為に基づく損害賠償責任を負う(民法709条)。自転車運転者が未成年であったとしても損害賠償責任は免れることができない。また、加害者が12歳未満であった場合は、親などの監督義務者が加害児童の代わりに賠償責任を負うことになる(同714条)。

なお、名古屋市では自転車損害賠償保険等への加入は平成29年10月1日から義務化されている。私は条例施行にしたがい、自転車保険「家族型」に加入している。

■ 名古屋市自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例
第14条 自転車を利用するに当たって、自転車損害賠償保険等に加入しなければならない。
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横井利明
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