2009年の夏、ニューヨーク市交通局はそれまで治安の悪さと不衛生に悩むエリアだったタイムズ・スクエアのブロードウェイに面した 5つの街区を、自動車道から歩行者専用道に転換させるという画期的な試みを実施した。「Green Light for Midtown」呼ばれたこの試みは、移動性(モビリティ)と安全性を同時に高め、かつミッドタウンの中心に付加価値を与えることを目的として行われた。車道だったブロードウェイが歩行者空間になることで、タイムズ・スクエアの歩行者空間は、従来のほぼ倍の広さになり、ストリート自体が新たな観光地として賑わい、周辺の治安が良くなったばかりではなく、沿道の店舗の売り上げも数倍に。車中心の街から人間中心の街へ、その象徴的な空間となっている。