発生が危惧される南海トラフ地震等大規模災害に備え、家屋倒壊等で住宅を失った市民の方々の避難生活を想定した実践的な「野営体験訓練」を公園で行いたいが、どんな手続きが必要となるのかとのご相談をいただいた。
名古屋市では、自宅が被災して帰宅できない場合、一定期間、避難生活を送るための場所として、「指定避難所」を指定し、万が一に備え市民の皆様に公表している。それぞれの地域では学区連絡協議会が中心となり、区役所、消防署や消防団等と協力して、小学校体育館等を活用した避難所運営訓練が行われているが、一方で、市民の皆様の中には、発災初期段階において公園で避難生活を送ろうとする方々も想定されている。しかし、公園での避難所運営訓練、いわゆる「野営体験訓練」は私の知る限り行われていないのが実態だ。
宝南消防団(南区)では、日頃から訓練してこそ、万が一の場合に大きな効果を発揮するとして、公園での「野営体験訓練」を計画。先日、公園を所管する南土木事務所に相談にうかがった。
土木事務所では「実践的な野営訓練は万が一の場合に役立つことが想定される。一方で、公園の中でテントを張ると、一般市民の皆様から見てさまざまなご意見が出される可能性も否定できないことから、『行為許可』を取得して取り組んでほしい。」とのアドバイスをいただいた。
今後、同団では学区連絡協議会の防災計画に位置付けた上で、被災地での避難生活のひとつの拠点となる公園での「野営体験訓練」を計画し、テントの設営や炊き出し訓練などを行うとともに、設営したテントで一夜を過ごしそこで課題を洗い出す取り組みを進める考えだ。