3年の地域行事自粛が社会にもたらしたもの

それまで盛んにおこなわれていた「運動会」や「盆踊り」「祭礼」などの地域行事が、新型コロナの感染拡大が長く続いたことで、コロナが5類となった今でも地域行事をおこなわないなどの傾向が私の住む地域でも少しずつ顕著になっている。

もちろん背景には、「行事が3年間中止されたが困ることはなかった」などの思いがある一方、地域住民の高齢化が進み、「行事そのものの開催が困難」になっているといった背景もあるようだ。また、長い間の景気の低迷により、「思ったように協賛金が集まらない」といった切実な事態もこの問題に拍車をかけている。

中には町内会自体の解散が議題とされたところもあり、これらの問題は確実に地域への帰属意識の低下や住民間関係の希薄化を招くだけでなく、住民間関係の希薄化が今後さらに進むのではないかという懸念も持たざるを得ない。

地域社会は多種多様な考え方をもつ人間が集まり構成されている。性別や国籍、年齢、職業、趣味や興味もさまざま。行事に関心がある人がいる一方、抵抗がある人も少なくない。だからこそ、同じ土俵で住民同士が話し合ったり時に理解しあう地域行事の存在は大きかった。また、この意識が「向こう三軒両隣」「遠くの親戚より近くの他人」といった地域での相互扶助を進めてきたと考えられる。

ただ、地域行事の抵抗のある人を取り残したまま、一部の人々で行事を進めていっても、よりその溝は深まるばかり。より多くの方々がその人なりの関わり方ができる「接点」をどう創るか、試行錯誤する視点も欠かせない。そのためにも「地域課題」探り出し、問題意識を共有するなかで、これからの住民間のコミュニケーションのあり方を考えたい。
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横井利明
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