原野商法の二次被害 (1)

「北海道の土地の管理と測量をしなければならないから至急連絡を」というはがきが届いたので、その会社に電話したところ、「草刈り・測量などで44万円かかるのですぐに振り込むように」と担当者から言われた。早速、銀行から44万円振り込もうとしたが、銀行員が警察を呼び、振り込むことができなくなった。担当者から6月7日までに振り込まないといけないので困っている。ヨコイさん、どうしたら振り込むことができるのか?

80代の老夫婦からこんなご相談をいただいた。

老夫婦から詳しくお話をうかがうと...

振込依頼書2■ 実は老夫婦はかつて「原野商法」の被害者だった。
昭和58年(1983年)、東区のA社から北海道上川郡高鷲町の原野約500㎡を300万円で購入した。「もうすぐ近くに新幹線の駅ができる。将来確実に価値が上がりますよ。」とのセールストークに魅力を感じ原野を購入した。

今年に入り、東京にあるB社から往復はがきがやってきた。電話したところ、「土地の管理と測量及び草取り」の必要があるとのことで、B社の指示通り銀行から44万円振り込もうとしたところ、銀行員さんが警察に通報。警察官からいろいろ事情を聴かれた。警察官から信頼できる人に相談してほしいといわれたので、横井利明に相談に来たとのことだった。

私は早速、懇意にしている不動産業者さんや司法書士さんに相談。「ヨコイさん、典型的な測量詐欺ですね。いったん振り込むと何回でも詐欺被害にあうことになりますよ。」と忠告をいただいた。私は老夫婦にB社にはもう電話しないようにとお伝えしたが、再びB社から電話が入ると心配なため、「何かあったらすぐヨコイに伝えて」と要請した。

■ 原野商法
「原野商法」とは、値上がりの見込みがほとんどないような山林や原野について、実際には建設計画等はないにもかかわらず「開発計画がある」「もうすぐ道路ができる」「新幹線の駅ができる」などと虚偽の説明をしたり、「確実に値上がりして儲かる」などと勧誘して販売をする商法。1970年代から1980年代にかけて被害が多発した。

■ 原野商法二次被害
かつて原野商法の被害にあった方に対して、「あなたの持っている土地を高く買い取ります」などといった勧誘をきっかけに、「測量詐欺」をおこなったり、言葉巧みに新たな原野や山林を買わせたり、土地の管理費を請求したりする二次的被害のこと。
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横井利明
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