国の文化審議会(会長:佐藤信)は、道徳公園の「くじら像」の登録有形文化財(建造物)の登録について、7月16日(金)、文部科学大臣に答申しました。まちの歴史的資産でありシンボルでもある「くじら像」の文化的な価値を文化庁ならびに国の文化審議会に認めていただいたことは、地域に住む住民のひとりとして大変うれしく思います。なお登録名は「道徳公園くじら池噴水」。
令和3年には、道徳は文政四年の改築からちょうど200年を迎えます。10月3日(日)には、道徳200年祭が開催されることから、200年の門出に花を添えることになりそうです。
■ 道徳公園くじら池噴水
東海市聚楽園や西尾市刈宿の大仏の作者で知られる後藤鍬五郎の手により昭和2年に築造されたもので、戦前から現在に至るまで地域の人々に親しまれています。平成23年10月17日には、名古屋市認定地域建造物資産に認定され、歴史的建造物として、また地域のランドマークとして認められました。
令和2年度には、道徳開築200年の記念事業の一環で、国の文化財登録制度に基づく文化財登録原簿への登録への推薦が名古屋市から文化庁に提出され、文化庁を中心とした調査がおこなわれたところです。文化審議会において登録の諮問・答申が出され、文化財登録原簿への登録が行われたたことから、今後、「登録の官報告示」「登録の通知」「登録証の交付」「登録プレートの交付」がおこなわれる見通しです。
■ 施設の概要・特徴
鉄筋コンクリート造クジラ形噴水の設備を中心にし、石と擬(ぎ)木(ぼく)で池の護岸を巡らし、石製欄干(らんかん)付コンクリート橋を架けています。
・くじら像の大きさ 全長9.7m、幅3.5m、高さ1.9m。
・くじら池の大きさ 面積243㎡
・構造 コンクリート造及び石造
・登録基準 国土の歴史的景観に寄与しているもの
■ 登録有形文化財(建造物)
平成8年10月1日に施行された文化財保護法の一部を改正する法律によって、保存及び活用についての措置が特に必要とされる文化財建造物を、文部科学大臣が文化財登録原簿に登録する「文化財登録制度」が導入されました。
この登録制度は、近年の国土開発や都市計画の進展、生活様式の変化等により、社会的評価を受けるまもなく消滅の危機に晒されている多種多様かつ大量の近代等の文化財建造物を後世に幅広く継承していくために作られたものです。届出制と指導・助言等を基本とする緩やかな保護措置を講じるもので、従来の指定制度(重要なものを厳選し許可制等の強い規制と手厚い保護を行うもの)を補完する制度となっています。