緊急保育はじまる 名古屋市

名古屋市では、保育園・こども園の職員または園児が陽性となり、ひとりでも濃厚接触者が確認された場合には、園全体を2週間の臨時休園(市の要請に基づく休園)としている。そのため、第5波の感染拡大の影響を受け、9月初めには市内47園、約5,000人の子どもが保育園に登園できない状況になっていた。

保護者は会社に出社できない状況となり、「パート収入が2週間入らなくなり生活ができない。」「子どもが1日中家の中で過ごすことになり、子どものストレスがたまっている。保護者もイライラする。」など、親子ともに悲鳴が上がっていた。

一方、保育園では、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため普段からクラスをこえた子どもの接触を制限。園庭やゆうぎ室、絵本コーナーをクラス単位で利用するなど、仮に子どもたちの中で陽性者があっても園全体に感染が拡大しないよう感染防止対策を進めている。

ヨコイは本年5月に市の保育担当課に対し、「保育園ではクラスをこえた感染が拡大しないよう十分対策をとっており、ひとり濃厚接触者が出た場合、一律に保育園全体を2週間休園することの影響の方がはるかに甚大だ。陽性者との接触がなかった園児に限り、保護者が希望すれば保育園で預かれるようにするべき。」と訴えてきた。そして、8月末にも改めて名古屋市に対して、一律に保育園全体を休園としない措置を申し入れた。

この要請を受け名古屋市は、9月3日(金)にひとりの濃厚接触者で園全体を休園とする措置を全面的に見直し。休園となった保育園は名古屋市と相談の上、感染者との接触がない園児に限り園児の受け入れを行うことができる「緊急保育」の導入が決まった。

私が経営する保育園のひとつでは、9月3日の市の通知を受けて、保護者のスマホで「緊急保育」の申し込みができるプログラムを作成。通知当日に全保護者に対し「緊急保育のご案内」を送付した。その結果、37人の園児のご家庭から「緊急保育」の申請があり、9月6日(月)から「緊急保育」を実施している。

すでに小中学校では、児童生徒の感染が確認されても、濃厚接触者のあったクラスのみを閉鎖する措置となっており、今回の見直しで保育園、小学校、中学校の対応が足並みをそろえたことになる。
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横井利明
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