北海道新幹線トンネル工事で基準値を超えたヒ素等の検出が相次ぐなか、鉄道・運輸機構に要請へ。前田治・北斗市議と橋本みか党厚別区委員長が住民の声を届け、私からも住民理解・住民合意なき工事はダメだと強調しました。
札幌駅直結の商業施設パセオも、工事のために今日で営業が終了となりました。着々と工事を進めるつもりも、掘れば掘るほどヒ素や鉛などが出てくる北海道。有害残土の処分地・処分方法も決めずに掘削だけは進めるという、まさに「後は野となれ山となれ」となっています。その結果、住民理解・住民合意なく有害残土が押しつけられることへの心配が広がるのも当然です。
昨日の札幌市議会で、秋元市長は反対の声が大きい山本地区や金山地区も含めた、受け入れ地を選定する旨の答弁をしました。橋本さんから、該当する市有地は荒れ放題だし、山本町内会の反対の意思は変わっていないと代弁されました。金山地区もあわせて、住民合意なければ選定から除外するなど決断するときではないのか。
前田市議は、地元・北斗市で基準値を超えるヒ素などの検出が続いていることとともに、議会のため来られなかった佐藤智子・八雲町議の分も、同町で北斗市同様の事態が起きかねないと強調しました。機構側は、基準値を超えるようなときは速やかに(自治体などへ)知らせるとの回答でしたが、北斗市ではその報告が1年近くもされなかったのです。
そのうえ掘削土の盛土はヒ素が基準値の140倍となっても、モニタリングする地点では基準を下回る、という説明をしていることに議論が集中。地下水などとともに流れ出す前に、原地盤を活用する処分が可能なのか、科学的な議論も必要です。そこまで有害残土を集める、と宣言しているようにも思えます。これで住民理解・住民合意を得られると言えるのでしょうか。
そもそもは2030年度末開業にあわせて、工事を無理に進めなければいけないことが根本的問題です。国交省の今日の有識者会議では、資材価格の高騰によるコスト増が議論になっています。無理に無理を重ねることで、環境面も財政面も、矛盾を膨らますことにならないか。そもそも札幌延伸で本当に黒字になるのか、需要予測も本当に正しいのか。中止も含めた見直し議論を進めるべきです。
【今日の句】新幹線 未来の重しに ならないか