11月3日のアメリカ大統領選は、わが国の外交にも大きな影響を及ぼす。また、習近平独裁体制を強化しつつある中国は、10月26日に始まった5中全会で新たな経済モデルを提示し、アメリカとの対立に備えようとしている。 これからの世界は、米中対立を軸に展開していく。パックス・アメリカーナ(アメリカの平和)を維持しようとするアメリカと、パックス・シニカ(中国の平和)を確立しようとする中国の争いである。 初の外国訪問として選んだベトナムとインドネシアでは、菅外交は大過なく終わった。しかし、これからは難問が待っている。 日本外交の基軸は良好な日米関係であるが、日米防衛負担や貿易摩擦などは、トランプ、バイデン、いずれが当選しようとも、基本的には今後とも問題となり続ける。 しかし、バイデン勝利の場合、国際社会への対応について、パリ協定(地球温暖化対策)やイランとの核合意にアメリカが戻るかどうかが焦点となる。日本としては、アメリカ第一主義の弊害を説き、覇権国としてのアメリカの責務について力説すべきである。この問題では、ヨーロッパと連携することが肝要である。 今の世界の最大の問題は、アメリカと中国の覇権争いであり、両国の競争が激化していることが世界の不安定要因になっている。 中国は海軍力を強化し、太平洋への進出を加速化している。先の菅首相のベトナム、インドネシア訪問も、それに対抗する意味があっ続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』