旅客機4機がハイジャックされ、ニューヨークの世界貿易センタービルなどに突入し、世界に衝撃を与えた同時多発テロから20年が経過。当時私はテレビの映像を見ても一体何が起こっているのか全く理解できず、ただただ崩落する世界貿易センタービルを食い入るように見つめるだけだった。
テロから10年が経過した2011年には崩落した世界貿易センター跡地「グランド・ゼロ」を訪れ、犠牲となられた日本人24人を含む約3,000人の犠牲者を追悼する巨大プール前で目を閉じて手を合わせた。さて、この20年間で明らかになったのは、軍事力のみでは世界に平和は訪れないということだろう。9.11のような大規模なテロは減少したものの、過激派組織は世界各地に分散し悲惨な事件や事故を繰り返している。まさに根底にあるのは、過激思想を生む教育。この是正が行われない限り、テロが起こる素地は残り続ける。日本政府はアフガンで農業、教育、保健・医療、女性の地位向上といった幅広い分野での人道復興支援を進めきた。また、日本の大学院へ留学するための奨学金制度も実施してきた。今回の米軍の撤退によって国内が混乱し、日本による民生支援は停止せざるを得ないものの、日本に対する評価は決して低くはないと信じたい。
その中で、私たち市民レベルでできることには限界はあるものの、過激思想の土壌にある貧困や格差をうめるための「教育分野」で何ができるのかが課題になるのかもしれない。