漁師の現実に目を向けて

 先日の洞爺湖町・豊浦町から今日は八雲町・森町の漁協をまわり、函館市で道総合振興局と道総研函館水試からも聞き取り。噴火湾養殖ホタテへい死とザラボヤ対策は、抜本的拡充が急がれていることを痛感しました。

 噴火湾のホタテ生産は、ここ数年はザラボヤや自然災害に苦しめられてきました。それらも要因となり、へい死が増えたと考えられます。ここ数年の噴火湾でのホタテ生産量は2015年・99,368トン→2016年・49,606トン→2017年・13,764トン→2018年・63,306トン→2019年・18,319トンと急激に減少しているのです(各年度は10月から翌年5月まで)。

 生産量が減れば価格は上がるものですが、それでも経営を安定化させるだけの上げ幅はありません。設備投資の償還ができなくなったり、雇っている人に給料を出すのに必死になったりで、このような現実を前に養殖ホタテをやめた方もいます。ホタテがなければ水産加工場も動きません。地域経済にも大打撃になります。

 どの漁協でも悲鳴のような声が聞かれました。「ザラボヤを沖洗いしているうちに、貝を分散させる仕事が遅れてしまう。漁業者は努力しているのに」「過去のへい死では、復活するのに4年かかった。共済の支払い額を引き上げるなど、経営を支えてほしい」など、どの要請も具体的で、じかに漁業者の苦しみが伝わってきます。

 へい死もザラボヤも、発生原因の解明や有効な対策を見いだせているわけではありません。経営を支える緊急支援と、分析・研究の領域を充実させて対策に反映させていく両方の課題を進める必要があります。漁師は今年1年、これからの1ヵ月をどう暮らそうか、悩みに悩んでいるのですから行政が応えていくべきです。

 函館市は天然マコンブも記録的な不漁で、資源復活への緊急対策会議も関係者で開かれました。これだけの海の変化は気候変動によるものと、多くの漁師が感じています。イカもあわせて水産資源の減少が、道南地域を襲っています。すぐ明日に水産資源が増えるわけでもないので、当面の補償や研究などの抜本的充実はどうしても必要です。

 水産庁の予算も少なすぎます。漁業法を改悪したうえ、予算も増やさないとはどういうことなのか。泣きを見るのは地域を支える漁業者であり、その家族です。紙議員とも連携して、私もできる限りの力になりたい。

 昨日から各地の党地方議員のみなさんからも、いろんな実態も聞くことができました。吉野英雄(伊達市)、立野広志(洞爺湖町)、山田秀人(豊浦町)、佐藤智子・横田喜世志(八雲町)、檀上美緒子(森町)、市戸ゆたか・紺谷克孝・富山悦子(函館市)、道議候補だった本間勝美さん、本当にお世話になりました。

 明日は釧路市への移動日。日曜日に釧路町・別保公園で、党と後援会の「青空まつり」があります。お近くの方は、ぜひ足をお運びください。

 【今日の句】この海と いっしょにみんな 生きてきた
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畠山和也
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