道の「宿泊税」は理解を得られているか

 連休で観光に来られたのかなという方が多かった、今朝の街頭宣伝。一方で、道内でのオーバーツーリズム(観光公害)の広がりも、報道され始めました。美瑛町では「青い池」訪問者への「入場税」検討も始まるなどありますが、どうにか良い方向に進められないかと悩ましい。

 運転手不足のためバス減便が顕著な札幌市でも、5月の大型連休時は定山渓(あるいは札幌中心部)に向かう観光客が多く、地元南区の住民が乗れない事態があったと聞きます。函館の市電やロープウェーでも混雑があったと報じられました。

 バルセロナでは観光客に矛先を向けるデモまで起きて、単なる混雑だけでなく市民の生活費高騰なども背景にあると言います。健全な産業としての観光というより、招くだけ招き、稼げるだけ稼ぐ利益最優先の見直しに、国民的議論が必要な時ではないのか。

 北海道は、2026年4月からの「宿泊税」導入をめざしています。道が示した案では、宿泊料金2万円未満の場合は100円、2万~5万円で200円、5万円以上で500円。しかし、税の使い道は明確でなく、市町村や事業者の事務負担も調整が進んでいないのです。道民の理解が得られたとは言えません。

 今月3日の道議会予算特別委員会で真下紀子道議は、宿泊税の賛否を道民に問うよう鈴木知事をただしました。宿泊は道外からの観光客ばかりでなく、道内移動の出張や研修、受験やスポーツ大会、出産や病院受診の場合もあります。島根県では「観光目的以外の宿泊」では税負担回避をと議論されているのですから、その姿勢に学んではどうか。

 持続可能な観光については、国交省も先進事例を示すなどの取り組みをしています。しかし、国内大手業者や海外資本による大型施設の建設だったり、スタッフの奪い合いで地元宿泊業者が確保できないなど、逆行する事態も起きてはいないのか。全国的な実態調査が必要だと思います。

 誰にもやさしい観光へ、政策も練り上げていかないと。

 【今日の句】課税なら 富があふれる 層にこそ
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畠山和也
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