住まいを守れ

 寄せられている相談は、きっと氷山の一角--「家賃が払えなくなりそう」と、くらしの根本が脅かされている実態をうかがいました。札幌一時生活支援協議会「JOIN」、NPO法人自立支援事業所「サンレジデンス」に足を運びました。

 JOINさんに着くと、ちょうど舞い込んできた相談の対応中。ご本人が了解くださったので、相談が終わるまで同席して待っていると、その途中にも別の方が来室されて次々と相談が寄せられる一端を目にしました。ひと段落した後に、主任相談員の山中啓史さんから話をうかがいました。

 意外だったのは、問い合わせが多かったのは住居確保給付金だったとのこと。これは離職などで住居を失ったり、その恐れの高い方に、一定の条件のもとで家賃相当額が支給される制度です(上限あり、原則3ヵ月)。報道で紹介されることが多かったためと思われます。

 実態を聞くと、さまざまな背景があると山中さん。派遣会社から休業手当もなく待機を命じられて収入が途絶えている方、休業が要請されてすぐに「夜の業界の子たちがあぶれた」(山中さん)などの話を聞きました。誰もが生身の人間です。あたたかい食事、あたたかい室内がないまま過ごしているのかと思うと胸が痛みます。

 それでも、思ったより相談件数は多くないとも言います。情勢は改善されていないのだから、給付金で食いつないでいるのか、ぎりぎりの生活をしているのか‥‥と語りながらも心配する山中さんは、これから住居を失う方が増えないかとの心配も口にしました。

 同じように、失業や住居を失う方がこれから増えるのではと心配していたのは、サンレジデンス副所長の松下和広さん。さまざまな事情から家を借りられない方への自立支援とあわせて、住居確保をおこなっています。ここでも私たちとの懇談中に「入れる家はありませんか」との電話が入りました。

 「これまで家賃の滞納などなかったという人から『生活保護を受けたい』という相談もあるので、あわせてアドバイスもしています」と松下さん。荷物カバン1つに所持金わずかという状況で、直接に訪れた方もいたそうです。背景がさまざまなだけに「幅広い対応ができる相談窓口が必要ではないのか」と提起もされました。

 松下さんも、自分たちまで届かない「声なき声」や実態に心を痛めています。「ネットカフェで生活していた人も多いはずだが、大丈夫なのでしょうか」と述べ、1人10万円の給付金が来るまでガマンし、このお金がなくなった時が心配と言います。「困っている人への、国の施策がタイムリーでない」と強調されました。

 この間の政府の後手後手ぶりや、対象の絞り込みなど、昨日も書いたようにもどかしい思いを、現場で相談を受けている方だからこそ痛感されているのだと思います。「非正規雇用が3分の1もいて、税金や年金を払えないという話を多く聞きます。こういう方々は将来、生活保護を受けざるを得なくなってしまいます」と、根本から日本を立て直す必要があるとの話も納得して聞きました。

 日本共産党へも多くの相談が寄せられますが、それもきっと氷山の一角。もっと地域や職場に私たちが「困っていることはありませんか」と入っていかなければと痛感しています。しっかり私も役割を果たしたい。

 【今日の句】まだ声に できない方が きっといる
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畠山和也
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