苦しみは口にして

 新しく比例予定候補となった伊藤りち子さん(小選挙区3区と重複)の紹介を兼ねて、新型コロナウイルスの影響などで各団体と懇談に。今月2日に西村担当大臣に提出した「新型コロナ危機から、命とくらしを守り、経済を立て直すための緊急申し入れ」を、お届けもしました。

 懇談先は道勤医協、道労連、新日本婦人の会道本部、道農民連。道生活と健康を守る会、道高教組には私だけで足を運びました。どこでも伊藤さんの決意が歓迎されて、短い時間でしたが課題をまとめて話してくださる有意義な懇談になりました。

 あらためて医療現場の大変さを教えてくれたのは道勤医協・村口専務。みずからの感染リスクもあると家族会議を開いて話し合った看護師さんの現実も聞き、命を守る現場で減収補填さえされない政治への憤りが沸き起こります。医療用手袋などの資材高騰(何とペーパータオルも!)も、病院経営を圧迫しています。

 「ベッドを満杯にしないと黒字にできない診療報酬の低さが、そもそもの問題」と村口さん。報酬という言葉自体が気に入らないんですけどと苦笑されていましたが、社会保障を削ってきた自民党政治のツケが根本にあるのだと再確認しました。だからこそケアに手厚い社会づくりという、おおもとからの転換が絶対に必要なのです。

 道労連でも、医療・介護や公務、大学生協などの働く実態をうかがいました。雇用調整助成金でつないできても、なかなか先が見えない現実を前に退職する人も増えてきています。定額給付金など「国民に等しく配ることを政府は嫌がってきた。各種給付金も申請させない・しにくい状況を変えないといけない」と三上議長も力を込めました。

 新婦人でも雇用の話になり、東京にいる娘さんが4月に就職したものの現在も契約社員扱いで休めば減収になることや、希望退職を募ったら「大きくない1店舗で6人の先輩が辞めた」とも。「GoToキャンペーンの類は大手にしか恩恵がない。これまでと同じ『お友達政策』を早くやめさせましょう」(三上さん)の言葉に、私も必ず政権交代を!と応じました。

 「ソバの価格が大暴落。コメも来年が心配と、今から不安の声がある」(農民連)、「今こそ国民の権利として生活保護を活用しやすくするべき」「地域活動支援センターは対象外とされている事業がある、改善を」(道生連)、「『1年単位の変形労働時間制』についてのアンケートをしたら、これまでにないほどの返答とともに自由記述欄にビッシリ。言いたいことがあふれてる」(高教組)など、具体的な課題についてもよくわかりました。

 一方で、労働相談や生活相談の件数が思ったより少ないと各団体で出されました。給付金や税の減免などが支えになっていると思われますが、それも一時的に過ぎません。今は耐えている状況のもと、年末・年度末に溜め込んだ苦しみが一気に噴き出すのではと心配になります。

 実際に、道生連が生活保護についてのパネルを展示していたら「中古マンションを持っているけど持ち金は3000円しかない」という方の相談があり、そのような場合でも生活保護を活用できることを知らなかったといいます。「自分は制度を使えない」「まずは誰か頼れる人はいないか」と、菅首相が言う「自助」最優先の考えをあらためなければと痛感します。しっかり国会などへ反映していきたいし、この政治を本気で変えねばと感じた1日でした。

 【今日の句】寒風のもと 突き離す「自助」政治 

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畠山和也
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