自民党憲法改正第二次草案の問題点

 大多数の国民が象徴天皇制を支持している。世論調査を見ると、読売新聞で78%、毎日新聞で74%である。ところが、この多数の意見と異なり、天皇を国家元首とすべきだと主張しているのが、自民党の第二次憲法改正草案である。            2012年4月27日に自民党が取りまとめられこの改正案は、その他にも多くの問題点がある。右か左かというイデオロギーの問題以前に、憲法というものについて基本的なことを理解していない人々が書いた代物である。しかも、先輩達が営々として築いてきた過去における自民党内での憲法論議の積み重ねが、全く活かされていない。 憲法とは、国家権力から個人の基本的人権を守るために、主権者である国民が制定するものである。近代立憲主義憲法は、個人の権利・自由を確保するために国家権力を制限することを目的とする。「人の支配」(国家権力の支配)ではなく、「法の支配」である。つまり、法によって権力を拘束するのである。 したがって、「国家」の対極にあるのが「個人」である。そこで、現行日本国憲法13条は、「すべて国民は、個人として尊重される」と規定してある。ところが、第二次草案は、「全て国民は、人として尊重される」と変えてしまっている。「人」の対極は犬や猫といった動物であり、「個人」のような「国家権力」と続きをみる

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