ウクライナ停戦交渉・・「ミュンヘンの宥和」か?

 トランプ大統領は、ウクライナ停戦を実現させようとしている。しかし、そこに至るには、超えなければならない関門がある。  第一は、領土の分割問題である。プーチンは、すでに併合したクリミアに加えて、今占領しているウクライナ東部もロシア領にしようとしている。この点について、トランプは立場を明確にしていないたが、このプーチンの領土要求を飲む可能性がある。 第二は、ウクライナの安全をどう保障するかという問題である。プーチンが「特別軍事作戦」を開始したのも、ゼレンスキーがウクライナのNATO加盟を進めようとしたからである。プーチンは、最後の聖域としてウクライナのNATO加盟だけは絶対に許さないという方針を固めている。第三の問題は、ウクライナの政治体制に関する議論である。主権国家の政治体制は、その国の国民が決める。 ゼレンスキーは、停戦のために必要なら自分は大統領の座を去ると言っており、実際に、その可能性はある。ただ、問題は公正な選挙が行われて、次の指導者が決まるかどうかである。ロシアは、2014年にクリミア半島を独立させたときのように、様々な工作を行って、傀儡政権を作ろうとするであろう。その工作が成功すれば、ウクライナの独立は風前の灯火となる。  プーチンは、ロシア人が住む地域はロシアが統治すべきだとして、ウクライナ東部のドンバスを占領した。2014年3月には、住民投票という手段によってクリミア半島をロシアに併合した。ロシア人の住む地域だという理屈である。 この手法は、ヒトラーと酷似している。ヒトラーは、ドイツ続きをみる

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