「長生きリスク」を真剣に考えるべきだ

 「老後に2000万円不足」と話題になっているが、その原因は長寿化の進行である。まさに「長生きしすぎる」ことが問題になっているのである。 2017年の日本人の平均寿命は、男性が81.09歳、女性が87.26歳である。2016年に比べて、男性は0.11歳、女性は0.13歳のプラスである。第二次大戦直後までは、「人生50年時代」であった。実際に1947年の平均寿命を見ると、男性50.06歳、女性53.96歳である。 それが、10年後の1957年には、それぞれ63.24歳、67.60歳、20年後の1967年には、68.91歳、74.15歳、30年後の1977年には72.69歳、77.95歳、40年後の1987年には75.61歳、81.39歳、50年後の1997年には77.19歳、83.82歳、60年後の2007年には79.19歳、85.99歳と着実に伸びている。 実に、過去70年間に男性が31.03歳、女性が33.30歳も平均寿命が伸びているのである。 今や「人生80~90年時代」である。ところが、第二次大戦後に構築された様々な制度は、この長寿を前提として造られてはいない。たとえば、年金制度である。国民年金は1961年4月に開始されたが、この年の平均寿命は男性66.03歳、女性70.79歳である。 男性について言えば、60歳で仕事を辞めた後、年金のお世話になるのは5~6年にすぎない。今は65歳で定年退職して、15年以上年金に頼ることになる。年金制度をどう維持していくかが大きな問題になるのは当然である。そこで、7続きをみる

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