千葉県環境審議会大気環境、水環境合同部会

我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。

 

今日は千葉市文化センターにおいて千葉県環境審議会が開かれまして、千葉県議会からは、私が千葉県環境審議会の水環境部会に選出されているために、出席し、2時間を越えて集中審議してきました。

 

 

県議会の所属委員会(文教常任委員会)での質疑・視察を終えたと思ったら、すぐに所属する環境審議会で休む暇がありませんアセアセ

 

環境審議会では議員、学識経験者、住民代表が集まり、環境保全(自然環境の保全を含む)に関する基本的事項のほか、各種法令等の規定に基づく事項について調査審議を行います。

環境問題が専門分野でない方にもわかりやすいようにブログを書いていきたいと思います。

 

今回、議論した内容は、京葉臨海地域(千葉市~富津市までの6市)の企業の事業活動に伴って発生する公害を防止し、地域住民の健康の保護と生活環境の保全を図ることを目的として締結している「環境保全に関する細目協定」の改定にあたり、森田知事が審議会に意見を求めているものです(諮問)。

 

今回の細目協定の改定については、千葉県環境生活部から説明を受けつつ、疑問に思う点や不明点を詳細に調査して審議会に臨みました。

 

「環境の保全に関する協定」は昭和43年11月以降、京葉臨海地域に立地する企業と行政との間で締結を行っており、法令よりも厳しい排出基準を設定するなど、地域の実情に応じた環境保全対策を推進しています。

この協定は「基本協定」(理念や基本事項等)と「細目協定」(大気汚染や水質汚濁防止等に係る排出基準を定めている)の二本立てで構成されており、現在協定締結数は52社60工場となっています。

 

今回は「基本協定」は改定せずに「細目協定」を改定するというものです。

その主な改定内容の要点は以下の通り。

 

●細目協定の締結期間を5年間から10年間へ。

 ・昭和55年以降5年毎に細目協定を改定していた

 ・中間年度に評価・検証を行う

 

●窒素参加物対策の排出基準見直し

 ・平成26年の電気事業法改正により卸供給事業者等の区分が廃止され、発電事業を行うものは発電業者に一元化されたことを踏まえ、発電事業者が発電事業の用に供するガス期間の排出基準をより厳しい基準とする。

 

●粉塵対策

 ・降下ばいじんは概ね横ばいだが、苦情が寄せられている理由から地元から対策強化の要望がある。

 ・一定規模以上の粉塵発生施設を設置している製鉄2工場を対象に粉塵発生施設等の管理の徹底と悲惨防止対策の効果の確認を規定に盛り込む。

 

●有害大気汚染物質対策の見直し

 ☆トリクロロエチレンとテトラクロロエチレンを削除

 →環境基準の50分の1以下と低濃度であり対策の必要性低い。

 ☆アクリロニトリル及び1,2-ジクロロエタンの追加

 →最近10年間の大気環境調査において、指針値未達成又は高濃度で推移している。協定締結工場からの大気への排出量が県全体のほぼ全量を占めており、排出量の抑制に効果的。

 

●ダイオキシン類対策の条項削除

 ・平成12年のダイオキシン類対策特別措置法施行後、大気環境濃度は大きく低減。近年は環境基準の10分の1程度以下で推移。

 

●浮遊粒子物質対策の条文見直し

 ・硫黄酸化物、ばいじん及び揮発性有機化合物の対策。

 

●温排水等対策見直し

 ・排出水の音頭及び色による被害防止の保全対象としている「周辺水産動植物」を「周辺水域の動植物」に拡大

 

●生活排水対策の条文見直し

 ・近年小型浄化槽であっても高い処理性能を有する実態から。

 

●地質汚染防止に係る条文見直し

 ・各工場が場内で実施する毎年1回の土壌調査を有害物質の漏洩及び汚染土壌除去等の状況並びに土壌汚染状況調査の結果等を記録・保存する条文に改める。

 

こうした細目協定の改定について、審議会にて議論が行われました。

 

私からは、これまでずっと5年間で細目協定を改定してきたにも関わらず、今回10年間に変更することについて質疑を行いました。

 

例えば、今回も多くの細目協定を改定するための審議会が開かれているわけですが、これまで5年間だったものを今後10年間として本当に大丈夫なのか、要は環境の変化に伴い、なにか対策を講じなくてはならない状況に陥った時に可及的速やかに対応できるようにしなくてはならず、柔軟に見直しができるようにするべきであり、、また、その際は審議会にもしっかりと情報提供をしていただきたい、という主旨の質疑と要望を行いました。

 

特に粉塵に関しては、飛散防止対策を講じるにあたりその効果確認方法を千葉県、市、工場の三者で協議するということですので、その効果についても注視していく必要があります。

 

また粉塵に関しては地元市から苦情が来ているということでしたので、協定内の分野に関する千葉県と地元市との情報共有体制、情報収集の方法についても質疑を行いました。

 

学者の先生たちからは苦情の場所を県としても把握しておくことや、SDGsの視点を盛り込むことなど、様々な議論が行われました。

 

大学時代から環境と政治を専門的に勉強してきた私にとって、政治の側面から県民の代表として県民の健康と生活の保護をしていくという観点で様々な機会で関わることができるのは大変光栄なことであり、だからこそしっかりと調査・研究をすることが大切であると思っています。

 

明日も千葉県議会は議案等の賛否が行われますが、県民に寄り添った決断をしていきたいと思います。