地域に軸足を

 胆振東部地震から間もなく1年9ヵ月。応急仮設住宅の供与期間(2年)が迫るもと、被災3町の党議員が要請するのに同席しました。供与期間は道知事によって延長できますが、その場合の家賃発生などには対応が必要です。道や国への要望もあろうかと、同席した次第です。

 厚真町は宮坂尚市朗町長、安平町は及川秀一郎町長、むかわ町は渋谷昌彦副町長(竹中喜之町長は会議のため新ひだか町へ)が応対してくださいました。党の各町議(厚真町・伊藤富士夫、安平町・三浦恵美子、むかわ町・北村修、大松紀美子、舞良喜久)が要請書を手渡し、町民の実態や要望を伝えました。要請には、新型コロナウイルス対策もふまえた避難所についての要望もおこないました。

 みなし仮設入居者も含めた被災者に、新しい住居についての意向調査が各町でもおこなわれてきました。公営住宅、住宅再建、トレーラーハウス購入など選択は様々ですが、新しい歩みを進めるためにも住居の確保は欠かせません。しかし、少ない年金暮らしの方など十分な資力がない場合には、新しい住居の家賃も重い負担になります。東日本大震災はじめとした災害からの復興では、低所得者の家賃負担はいつも課題となってきました。持ち家だった方には、まさに新しい負担にもなってしまいます。

 従来から公営住宅に入居している方との公平性・整合性に、どの町でも心を砕いてきました。今度は3町が直面しています。一定の経過措置をしてきた自治体もあり、それだけの住民合意ができるかも課題となります。各町とも住民説明会の実施・準備も口にされていて、それでも2年の供与期間に間に合わない場合があるのですから、道でも受け止めてほしいと感じました。しっかり反映できるようにしていきたい。

 避難所における新型コロナウイルス対策は、3町の経験もよく聞きたいと思っていました。町長さんからも、すでに検討が始まっている状況を聞き、分散型の避難所指定や災害ごとのきめ細かいマニュアル、自主防災組織との情報共有と連携などがポイントだと理解しました。同時に、町村でのじゅうぶんな医療・介護・福祉を支える体制づくりには、日常から手厚い社会保障を築く国の姿勢が求められているとも実感です。

 厚真町では、あつまバスにも足を運びました。「勤めて40年になりますが、これほど厳しいのは初めて」と切り出した三上功社長さん。貸切や路線バスだけでなくハイヤー事業もおこなっている同社は、旅行客の減少・休校による通学生の減少・飲食店の休業などが重なって経営状況が厳しくなっています。それでも地域に根づく会社としての責任を果たそうと、再開された厚真高のバス通学の「3密」を避けるため台数を増やしたり、従業員の休業手当も100%補償しています。

 貸切バス17台は現在のところ動く状況にないのですが、バスのリース料は変わらぬ固定経費として負担となります。雇用調整助成金や持続化給付金、融資などを受けても、なお重い負担の1つが、このような固定経費です。第2次補正予算で家賃は支援の見込み(それでも条件が厳しい!)ですが、同様の理屈で、このようなリース料は支援できないのかと思います。こういう中身も、しっかり国会へ届けたい。

 長沼町のハイジ牧場も経営する、安平町早来の金川牧場代表の金川幹夫さん宅も訪れました。胆振東部地震での被災調査を通じて、何度かお話をうかがってきた方です。ハイジ牧場も休業を強いられ、先月からオープン再開となりましたが、乗馬や搾乳体験など一部メニューには制約も。持続化補助金や、道の休業に協力した際の支援金も、まだ支給されていない現状に苦笑しつつ、ポストコロナの日本社会のあり方にまで話は及びました。

 「島国の日本が発展できたのは、食料を自国でつくれたから。地産地消も含めて、しっかり地域が成り立つ議論が必要ではないでしょうか」と金川さん。コロナ禍で医療や防疫などの体制が弱いことも浮き彫りになり、立て直しが必要との話から「共産党さんも含めて、がんばってくださいよ」とあたたかい激励もいただきました。今の安倍政権に、このまま日本の未来を任せるわけにはいかないと痛感した1日でした。

 【今日の句】地域から 変える力は 沸々と
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畠山和也
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