継承よりも検証こそが必要だ

 ロシアとの領土問題も安倍首相から「継承」--でも、その安倍首相の交渉は行きづまっていたのでは。昨日の日ロ首脳電話会談についての報道を見ても、新たな見通しは感じられないし、先だって日本政府の反応を試すようにロシア軍が軍事演習をしたことにも、菅首相からは抗議どころか話題にも出なかったようです。

 ロシアとの領土交渉は、まさに安倍首相による「やっている感外交」の象徴でした。「やっている感」だけでなく中身を見ても、共同経済活動で軟化を誘おうにも失敗し、これまでの政府の立場を投げ打って2島返還を軸として交渉に舵を切りましたが、ロシア側に変化なし。新政権として安倍外交を見直すチャンスのはずですが、北海道新聞によれば「検証すれば否定的な結果になるから、できないのだろう」(外務省OB)とのこと。

 元島民の苦しみとともに、根室市など隣接地域での水揚げにも深刻な影響が続いてきました。そうでなくてもサンマなど主要魚種の大不漁もあり、水産関係では先が見えないとの話も先月、現地で聞いてきました。菅首相が、どれだけ本気で領土問題に向き合うのか、国会でただしていかなければなりません。

 それが今の自分の立場ではできないのがもどかしいのですが、一番もどかしい思いをしているのが元島民のみなさん。安倍首相が2島返還に舵を切った直後は「四島一括返還」と口にするのを控える雰囲気もありましたが、その後には元のスローガンに戻っています。歯舞群島・色丹島は北海道の一部だし、千島諸島全体が日本の領土というのが日本共産党の立場ですが、元島民のみなさんの思いは共有しながら運動と論戦に取り組んできたし、今後もいっしょに進めていきたい。

 さらに北海道で世論を広げることと、未来を担う若い世代へ伝えていくことも大きな課題。ことは根室市や元島民の問題でなく、国の主権の問題です。こうやってくりかえし発信していくことを大切にしていきたい。

 【今日の句】進展が あったと本気で 思うのか

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畠山和也
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